研究概要 |
特定の重金属を識別する金属タンパク質を創製し、重金属解毒等の医療医薬に、又は環境中の重金属モニターとして集積除去に関わる新素材としての機能を開発することを目的に、下記の研究を行った。 1)三次構造モデルの構築と重金属特異的結合能を有するタンパク質の開発: コンピューターグラフィックにより立体構造を解析した。 2)重金属ターゲティングのための新規金属選択性タンパク質のデザイン: システィンを含む他のアミノ酸を上記構造モデルより予測して、C7S,C19H,C26H,C29H,K31A,C48Hの変異メタロチオネイン遺伝子を得た。 3)重金属結合タンパク質の発現生産効率評価のための簡易測定法の開発: 新たにインテイン融合ヒトメタロチオネインタンパク質を生産後、目的タンパク質を精製し、原子吸光光度計により重金属結合量を測定し、1モルタンパク質あたり72カドミウム原子の結合能を得た。抗ウサギメタロチオネインマウスモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った結果、4量体メタロチオネインは本抗体と交差性が認められた。 4)リニューアルメタロプロテインの生化学的諸性質の測定: 部位特異的変異法により置換した変異遺伝子を発現ベクターに再構築し宿主菌に導入した。大腸菌による重金属結合タンパク質の発現生産系を基に、それぞれリニューアルメタロプロテインを大量生産した。目的タンパク質を精製し、原子吸光光度計により重金属結合量を測定し、C19H,C29H,C48Hの1モル変異メタロチオネインに対して7.7,7.8,7.0カドミウム原子の結合能を得た。
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