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1999 年度 実績報告書

マゼラン星雲内スーパーウインド星の探索

研究課題

研究課題/領域番号 11134202
研究機関東京大学

研究代表者

中田 好一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011740)

研究分担者 関口 和寛  国立天文台, 光赤外線天文学研究系, 助教授 (20280563)
田辺 俊彦  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90179812)
キーワードスーパーウィンド / マゼラン雲 / 球状星団 / 炭素星 / 漸近巨星枝 / 小質量星 / 質量放出 / ダストシェル
研究概要

スーパーウインド星とは中小質量星進化の末期に急速な質量放出を行っている星に付けられた名前である。本年はまずマゼラン雲球状星団内に我々が発見したスーパーウインド星の性質を詳しく調べた。スーパーウインド星は厚いダストシェルに覆われていて可視では見ることができず観測はもっぱら赤外域で行われた。これまで赤外炭素星は周期光度関係が知られていなかった。しかしたとえばIRASで発見された数万の赤外線星の光度と距離を知るためには、赤外星の周期光度関係を確立する必要がある。そこで南アフリカ天文台で4年間に渡り変光観測を実施し、データを解析した結果、周期光度関係をス一パーウインド星の領域へ拡張することに成功した。さらに観測した12球状星団の年令をアイソクロン法によりすべて再決定し、1-2億年の年令の星団から統合カラー等級図を構成して図中の星の分布を研究した。その結果、1.5-2太陽質量という限られた領域の星に対してであるが、漸近巨星枝の進化を初めて定量的に明らかにすることができた。この手法は原理的に他の質量領域にも適用可能であり、本研究によって中小質量星の末期進化を定量的に調べる道が開けたといえる。進化シナリオは質量により大きく異なるらしいので、この手法を発展させる必要度は高い。
また、スーパーウィンド星の探査観測を行うために開発したインディウムアンティモナイドアレイ搭載のカメラは着々と完成に近づきつつある。カメラコントロラーにはSDSUシステムが採用され、現在デュワーの真空冷却テストを行っている。装着予定のAladin512チップは入手済みであり、オフナー光学系の常温テストも終了している。したがって、本研究で目指した開発はほぼ終了したと言える。平成12年度半頃には南アフリカでテスト観測を行い、末には本観測に入る予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. NISHIDA, T. Tanabe, Y. Nakada: "THE PERIOD LUMINOSITY RELATION OF THE INFRARED STARS IN THE MAGENNANIC GLOBULAR CLUSTERS"MONTHLY NONCE OF THE ROYAL ASTRONIMICAL SOCIETY. (IN PRESS). (2000)

  • [文献書誌] KUCINSKAS. A, T. Tanabe: "New infrared object in the field of the SMC cluster NGC 330"Astron. Astrophys.. AA353. L21-24 (2000)

  • [文献書誌] T. Takaza, T. Tanabe: "MICS: A new mid-infrared camera and spectrometer for groung-based astronomy"PUV. Astron. Soc. Pacific. 111. 750-764 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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