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1999 年度 実績報告書

マゼラン星雲のハローの広がりとポピュラス星団

研究課題

研究課題/領域番号 11134205
研究機関名古屋大学

研究代表者

池内 了  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025461)

キーワードマゼラン星雲 / 球状星団 / ポピュラス星団 / 原始銀河雲 / 背景紫外線 / 水素分子 / スーバーバブル / 流体不安定
研究概要

マゼラン星雲のような小型銀河の形成モデルとして、強い背景紫外線に曝された原始銀河雲を考え、その熱的過程と力学的進化を計算した。熱的過程としては、背景紫外線による加熱と通常の放射冷却を考えるが、特に水素分子による冷却効果を水素分子の紫外線による破壊も同時に考慮した。水素分子の冷却効果は大きく、雲の中心部の温度を大きく下げるので、冷えたコアが初期に形成され、そこから星形成が急速に進んでいくことがわかった。現段階では、外部からの紫外線照射量と水素分子量で決まる、原始銀河雲の温度、形成されるコアの質量、それがコラプスして星生成に至る時間、についての一般的な関係式を得た。これより、宇宙全体での星形成率の時間変化が求められた。ただし、実際に原始銀河雲全体から形成される星の量は、新たに生まれた星からの紫外線放射および超新星の爆発による雲の加熱・破壊と、衝撃波での流体不安定による星間雲の形成という、相反する物理過程を詳しく調べねばならない。これを一気にシミュレーションすることは相当に困難であるため、今回は超新星爆発による雲の破壊(スーパーバブルの形成)と衝撃波での流体不安定による星間雲の形成過程のシミュレーションを行った。その結果、原始銀河雲の大部分は破壊されて高温ガスになるが、衝撃波周辺で冷却されたガスの一部は流体不安定によって星間雲スケールに分裂することがわかった。さらに、この計算に自己重力を考慮すれば、星間雲から星形成へつながることが期待されるので、ハロー領域に観測されている球状星団またはポピュラス星団起源と考えることができる。今後、現実的なマゼラン星雲のポテンシャルを用いて、これら一連の過程をいっきにシミュレーションし、原始銀河雲・球状星団・ポピュラス星団の相互関係を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Taniguchi: "Formation of Qusar Nuclei in the Hearts of Ultraluminous Infrared Galaxies"Astrophysical Journal. 514. L9-L12 (1999)

  • [文献書誌] Yoshiaki Taniguchi: "Globular Cluster Formation Triggered by the Initial Starburst in Galaxy Formation"Astrophysical Journal. 526. L13-L17 (1999)

  • [文献書誌] Tetsu Kitayama: "Formation of Sub-Galactic Clouds under UV Background Radiation"Astrophysical Journal. 529. 615-634 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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