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1999 年度 実績報告書

金属錯体をビルディングブロックとする柔らかい集積構造をもつ層間化合物の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11136214
研究機関静岡大学

研究代表者

川田 知  静岡大学, 理学部, 助教授 (10211864)

キーワード金属錯体 / 集積体 / インターカレーション / 層間化合物 / 多重機能
研究概要

集積型金属錯体は多面的な化学特性を持ち、様々な物性が複雑に絡み合った新しい多重機能の発現が期待できる。そこで本研究では、その多重機能発現を視野に入れ、集積型金属錯体をホスト層として用い、層間・層内の相互作用、外場との応答性が自由に制御できる"柔らかい集積構造"をもつ層間化合物の構築を行った。
本研究では、集積構造を構築するにあたり、ホスト層を構成する金属錯体ビルディングブロックの異性化、連結配位子の配位多様性を利用した合成アプローチを検討した。柔らかい集積構造を構築するにあたり、[Fe(CA)_2(H_2O)_2]^-(H_2CA=クロラニル酸)をビルディングブロックとして、異性化、連結配位子の配位多様性を利用した合成アプローチを検討した。このホスト層は、種々のゲスト分子を導入可能であった。例えば、デカメチルフェロセンをゲスト分子に用いた場合、水がトランス位に配位した単核錯体が水素結合によって連結された二次元シート間に、ゲスト分子がカラム状に挿入された層間化合物を形成する。一方、ピリジンをゲスト分子に用いた場合、上記層間化合物と同様のホスト層を持つ層間化合物と、水がシス位に配位した単核錯体と水により構成されたシート間にゲスト分子は挿入される化合物が得られた。以上のように、[Fe(CA)_2(H_2O)_2]^-をビルディングブロックとする集積体は異性化により自らの構造を変化させ、様々な形状のゲスト分子を挿入可能であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M. Katada: "Synthesis and ^<151>Eu-and^<57>Fe-Mossbouer spectroscopic studies of new europium-iron complexes"J. Radioanal. Nucl. Chem.. 239. 227-232 (1999)

  • [文献書誌] M. K. Kabir: "IRON-CHLORANILATE INTERCALATION COMPOUNDS : SYNTHESIS, CRYSTALSTRUCTURES, AND THERMAL PROPERTIES"Mol. Cryst. Liq. Cryst.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] M. K. Kabir: "Novel Intercalation Structures Constructed From Iron-Chloranilate Compounds"Coord. Chem. Rev.. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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