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1999 年度 実績報告書

金属の精密配列制御を目的とした還移金属高分子錯体の合成

研究課題

研究課題/領域番号 11136243
研究機関大阪府立大学

研究代表者

高田 十志和  大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)

研究分担者 木原 伸浩  大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30214852)
中西 三郎  大阪府立大学, 工学部, 助教授 (40081343)
キーワード金属錯体 / 精密配列制御 / 不斉触媒 / らせん / ビナフチル / ポリカーボネート / ポリシッフ塩基 / サレン
研究概要

本研究の目的を達成するため、3つの目標を持って研究を進めてきた。
(1)ポリ炭酸エステルらせんへの金属錯体ユニットの導入 : 先に筆者らが開発したビナフチル構造を持つポリ炭酸エステルのらせん構造を用いて、らせん上への金属錯体導入を行うために、ビナフチル基の6及び6'位にジエン官能基を持つビナフトールを合成し、その重合により生成するポリカーボナートの合成を検討した。最終段階の鉄カルボニル導入は現在検討中である。
(2)アプリオリならせん構造を構築と金属錯体の精密配列 : キラルなねじれ要素であるビナフチルユニットを平面構造で連結することにより、らせん構造をアプリオリに構築できることを提案した。実際、平面連結部分をサレン錯体とすることでビナフチルーサレン複合型ポリマーが得られ、このポリマーがらせん構造をとることをモデル実験、各種スペクトル測定などから示した。すなわち、3, 3^'位にホルミル基を持つビナフトールを適当なジアミンと重縮合させ、ポリシッフ塩基へ導いた後、金属の酢酸塩で処理することにより得た。このナフチル基上への鉄またはルテニウム錯体ユニットの導入は現在検討中である。
(3)らせんの不斉場を利用する触媒反応 : 上で合成したビナフチルーサレン複合型ポリマーのとるらせんがもつ不斉空間を触媒サイトとする不斉合成反応として、ジエチル亜鉛の芳香族アルデヒドへの不斉付可反応で検討した結果、金属の変化でキラリティーの反転した生成物が得られることかわかった。このことは、金属の変化という微小な変化がらせん構造を大きく変え、不斉誘導に大きく影響したものと考えられる。
以上のように本年度は、本研究の最終的な目標であるらせん上への金属の精密配列制御という目標に大きく近づき、らせん構造の自在設計・合成の基礎が確立できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K. Murakawa: "Ploy and Oligo(biphenyl carbonate)s as Stable Helical Molecules"Chem. Lett. 1999・1. 94-95 (1999)

  • [文献書誌] S. Nakanishi: "Transformation of Carboxyl Group Adjacent to (n^4-Diene)Fe(CO)_3 Moiety : A Facile Route to (n^4-Diene)Fe(CO)_3 Complexes Having α , β-and β , γ-Unsaturated Carbonyl Groups, and 1,3-Dicarbonyl Groups"Inorg. Chim. Acta. 291・1. 231-237 (1999)

  • [文献書誌] S. Nakanishi: "A Novel Route to (n^3-Allyl)dicarbonylnitrosyliron Complexes via Transmetallation of n^3-Allyl Palladium Complexes"Chem. Lett.. 1999・8. 843-844 (1999)

  • [文献書誌] T. Takata: "Synthesis and Structure of Optically Active Helical Poly-and Oligocarbonates Consisting of C_2-Chiral Biphenyl Unit"Polym. J.. 31・1〜2. 1051-1056 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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