研究概要 |
A-Os(CO)_4→W(CO)_5(A=OC,H_3P)や(CO)Os(CO)_4→Re(CO)_4Brの複核錯体では、Osの電子配置はd^8構造をもちd_z軌道に孤立電子対を持つ、一方、WやReの電子配置はd^6構造でd_z軌道が空軌道となっており、金属-金属間の結合が配位性の結合と考えられる。金属-金属間の結合が配位結合と考えられる。これは共有結合性の金属-金属結合を持つ多くの複核錯体とはまったく異なる結合様式である。Br-Os(CO)_<4->Re(CO)_5ではOs,Reともd^7の電子構造を持っており、普通の金属間の共有結合を作っている。これらの複核錯体における配位性金属-金属結合が共有結合性金属-金属結合とどのように異なっているのかを我々の開発したモデル内殻ポテンシャル法を使って調べ、結合次数、結合距離及び結合エネルギーのいずれにおいても共有結合性金属-金属結合は配位性金属-金属結合より強い結合であることが明らかにした。
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