1.側鎖に金属錯体を有する環状ペプチド グリシンと、金属配位能を有するチオール基をもつL-システインの繰返し配列を持つ、環状ペプチド金属錯体cyclo[L-Cys(terpyPt)Gly]_n (n=3-5)の合成法を確立した。金属錯体部分は、酸あるいは金属イオンの処理により。容易に除去できることがわかった。これらの成果を1報の学術論文に発表した。これらがアニオン性高分子であるDNAに強く結合することが、円二色性スペクトルやNMRの測定により明らかになった。相互作用様式について、現在検討中である。 2.自然分晶する亜鉛四核錯体 二つのビピリジン部分をもつDPTZと亜鉛イオンから、亜鉛四核錯体がほぼ定量的に得られた。X線結晶解析より、それぞれの単結晶は自然分晶しており、4つの亜鉛中心はall-∧かall一Δであることが明らかにされた。四角構造の内孔に取り込まれている過塩素酸イオンは、四核集積化における鋳型の役割を果たしている。これらの結果については、論文投稿中である。 3.二つの3次元鏡像型銀錯体のinterpenetrating 三つのビピリジン部分をもつ平面型芳香族配位子を用いて、二つの3次元構造がinterpenetratingした珍しい構造の銀錯体を一段階で定量的に合成することに成功した。二つの3次元構造は、幾何学的には同等だが、お互いに鏡像体の関係にある。これらの結果については、論文投稿中である。
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