研究課題/領域番号 |
11138219
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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研究分担者 |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30302615)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
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キーワード | シグナル伝達 / ストレス応答 / キナーゼカスケード / 肝形成 |
研究概要 |
c-jun遺伝子産物の活性を制御するMAPキナーゼファミリーのSAPK/JNK系は、発がんやストレス応答、アポトーシスに関与する主要な細胞内情報伝達経路を構成すると考えられている。SAPK/JNK活性化因子SEK1/MKK4やSEK2/MKK7を中心に、c-JunやSEK1欠損マウス、またSEK2欠損細胞を用いて、以下の諸点を明らかにした。 1.c-Jun欠損マウスもSEK1欠損マウスもともに、肝実質細胞数の低下とその後のアポトーシスの亢進により胎生致死となるが、その程度はSEK1欠損の方がc-Jun欠損より重度であった。 2.SEK2欠損ES細胞は致死となった。SEK2は細胞の生存に必須の役割りを果たしていることが示唆された。 3.胎児肝特異的なモノクローナル抗体抗を複数作製した。このうちの一つ抗Liv1抗体は胎児肝を特異的に染色した。興味深いことに、SEK1欠損胎児肝にはLiv1陽性細胞は観察されなかった。また、成体肝では、Liv1陽性細胞は肝実質細胞に比べて小さな細胞として少数しか存在しないことが明らかになった。肝幹細胞である可能性を検討中である。 4.成体肝の核画分よりc-Junとは異なる分子量40kのタンパク質が、SAPK/JNKの良い基質となることが明らかになった。
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