研究課題/領域番号 |
11140243
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北 泰行 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00028862)
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研究分担者 |
當麻 博文 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50271028)
赤井 周司 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (60192457)
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
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キーワード | キノン系制がん剤 / ホモフタル酸無水物 / フレデリカマイシンA / ディスコルハブディン / マカルバミンF / ヘテロ類緑体 |
研究概要 |
我々は長年、キノン系制がん性天然物の合成研究を行ってきた。その過程では、ホモフタル酸無水物とジエノフィルとの塩基条件下での分子間[4+2]環化付加反応をはじめ、数多くの基盤技術を開発し、これらを応用して、強力な制がん活性化合物のアントラサイクリン系抗生物質、及びその誘導体、discorhabdin C、fredericamycin Aなどの全合成を達成した。特に、fredericamycin Aとdiscorhabdin類は、天然からは少量しか得られず、その特異な構造のため全合成が困難で、創薬研究が殆ど進んでいない。我々の合成法は、いずれもブロック同士の縮合を特長とし、いろいろな誘導体の合成に効果的であり、本研究では、これまでに得た知見を元に、これらの天然物をリード化合物とする新規キノン系制がん剤の創製を目指し、この一年間でかなりの種類のこれら天然物の類縁体を合成することができた。以下に成果を概説する。 1.Fredericamycin AのF環部側鎖を修飾した各種誘導体やF環およびEF環部を持たない部分構造体を合成し、また、A環をヘテロ芳香環に置換した類縁体を合成した。今後、これらの活性評価を行い、主作用団を明らかにしたい。 2.天然の含硫黄discorhabdin類の中のmakaluvamine Fの全合成に最初に成功し、その類縁体の合成を行っているところである。
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