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1999 年度 実績報告書

細胞死誘導活性を示すヒト癌抗原分子とその受容体の機能

研究課題

研究課題/領域番号 11140252
研究機関九州大学

研究代表者

渡邊 武  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)

研究分担者 中島 学  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)
キーワードヒト癌抗原 / 免疫病からのエスケープ / 細胞増殖抑制 / アポトーシス / 癌浸潤 / 腫瘍免疫 / RCAS1 / RCAS1受容体
研究概要

我々が新たに単離したガン抗原(RCAS1)ではRCAS1蛋白はリガンドとして働き、RCAS1蛋白に対する受容体が免疫細胞(特に活性化T細胞やNK細胞上)あるいは造血系細胞上に存在し、RCAS1タンパクの添加により免疫細胞に細胞増殖抑制、細胞死が誘導されることを見出した。我々が単離した新しい腫瘍関連抗原分子(RCAS-1)は、cDNAが約1.1kbで213個のアミノ酸より成る約45kDaの糖蛋白でN末側に膜貫通領域を有するII型膜タンパクで三量体を形成する。膜型及び分泌型が存在する。ヒト培養細胞株の一部、ヒト正常末梢血リンパ球、CD3陽性あるいはNK細胞表面上、特に活性化リンパ球細胞表面上にRCAS-1分子と結合する受容体分子が強く発現されていることがわかった。可溶性のRCAS-1分子を抗原刺激を受けたヒト末梢血リンパ球に加えるとin vitroにおいてリンパ球の増殖反応を強く抑制することが示された。さらに、それらRCAS-1受容体陽性の細胞に、RCAS-1タンパクを加えて培養するとアポトーシスを主体とする細胞死が誘導されることがわかった。このアポトーシスにはカスパーゼの活性化が関与している。マウスRCAS1cDNAおよびゲノム遺伝子の単離を行った。現在、ノックアウトマウスを作製中である。今後も癌細胞の浸潤、癌細胞の免疫系からのエスケープにおけるRCAS-1抗原の意義とガン治療戦略への応用についての研究を行う。
RCAS1を認識するモノクローナル抗体、22-1-1抗体を用いたヒト癌の診断について検討を加え、種々の癌において、本抗原の発現が癌の浸潤と予後と相関することが示された。現在、RCAS1受容体遺伝子の単離を行っており、RCAS1分子をプローブとしてヒトk562細胞cDNAライブラリーより、RCAS1受容体をコードするcDNAのクローニングを行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M. Nakashima, K. Sonoda and T. Watanabe: "Inhibition of cell growth and induction of apoptotic cell death by a novel human tumor associated antigen, RCAS1"Nature Medicine. 5. 938-942 (1999)

  • [文献書誌] Y. Aikawa, T. Watanabe, et al: "Involvement of PITPnm, a mammalian homologue of Drosophila rdgB in phosphoinosititde synthesis on Golgi membranes"J. Biol. Chem.. 274. 20569-20577 (1999)

  • [文献書誌] N. Motoyama, T. Kimura, T. Nakano, et al: "Bcl-x prevents apoptotic cell death of both primitive and definitive crythrocytes at the end of maturation"J. Exp. Med.. 189. 1691-1698 (1999)

  • [文献書誌] T. Kaku, K. Sonoda T. Watanabe, et al: "Ethe prognostic significance of tumor-associated antigen 22-1-1 expression in adenocarcinoma of the uterine cervix"Clinical Cancer Res.. 5. 1449-1453 (1999)

  • [文献書誌] F. Arakawa, T. Watanabe et al: "cDNA sequence analysis of monoclonal antibody FU-MK-1 specific for a transmembrance carcinoma-associated antigen, and construction of a mouse/human chimeric antibody"Hybridoma. 18. 131-138 (1999)

  • [文献書誌] T. Doi, N. Motoyama, T. Watanabe et al: "The death signals from B cell antigen receptor target mitochondria, activating necrotic and apoptotic death cascades in a murine B-cell line, WEHI-231"Intern. Immunol.. 11. 933-941 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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