どの様な機序でマラリア感染に引き続いてIL-12p40遺伝子の発現が抑制されるのかを解析した。一般にIL-10やPGE2がサイトカインの遺伝子発現を抑制していると報告されているが、マラリア感染におけるIL-12p40遺伝子の発現抑制にはこれらの因子が関与しているとする結果が得られなかった。NF-κBの活性化やIRF-1遺伝子の発現は正常に認められること、IL-12p40遺伝子と同じような発現調節を受けている他の遺伝子が抑制を受けないことから、この現象がIL-12p40遺伝子発現調節部位における特異的なものである可能性が考えられる。また、麻疹ウイルス感染時に転写レベルでのIL-12p40遺伝子の発現抑制が認められており、マラリア感染での抑制も同様の機序によると考えられる。今後その機序を明らかにしたい。さらに、RDA法とsignal sequence trap法を組み合わせることにより、異なる感染源によりinnate immunity系に誘導され活性化されている遺伝子に違いがあるか解析中である。
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