Germline転写産物のクローニングについては、SμSαともに終了した。しかし、T7/T3RNApolymeraseを用いたIn vitro転写は転写されたRNA分子がDNAと会合した状態で存在するため、転写産物の特性の解析には使用できなかった。そこで、1)RNAのセルフスプライシング活性を評価する目的にてE.Coli内でこのgermline ranscriptを発現させ、そのプロダクトをNorthern blotにて解析した結果、センスストランド転写産物特異的に5'/3'エクソンプローブともに検出できるspliced product様のバンドを同定した。現在このプロダクトの構造解析を行っているところである。2)また、Hela細胞の核抽出液を用いたIn vitro転写を行うためのconstructの構築中である。 クラススイッチを特異的に抑えるある種の阻害剤を見い出した。この阻害剤の基質をある種のDNA polymeraseと想定して解析を行っている。DNA polymerase:cell cycleの解析からDNA polymeraseαは除外した。Polα/δ/εの阻害剤、aphidicolinは細胞毒性が高くクラススイッチを特異的に抑える確証は得られなかった。DNA polymraseβに関しては、小山らの作成したpolβk.O.マウスを入手し、現在irradiated RAG2-/-マウス(Dr.F.Altら。VDJ組み換え酵素の欠失のためリンパ球ができない)にfetal liver transferを開始している。 今後、Germline転写産物のクラススイッチへの関与については、過剰発現と発現抑制によって行う。1)過剰発現:脾臓B細胞へのレトロウィルスによる遺伝子導入の系をたちあげた。現在、SμとSαのgermline transcriptのレトロウィルスを調整中。2)発現抑制:germline転写産物をターゲットとしたハンマーヘッド型のリボザイムを構築中。 Ku80破壊マウスについては、human IgM transgenicマウス、human light chain transgenicマウス(この二つの抗体遺伝子によりB細胞ができる。)と交配し、それぞれのヘテロの個体を得ている。
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