研究概要 |
粥状動脈硬化症においてはその初期から、Tリンパ球やマクロファージのような炎症牲細胞の集属が認められ、動脈硬化症の発生及び進展に炎症反応が重要な役割を果たしていることが分かってきた。この炎症性細胞の血管壁への集簇には、セレクチン、IC AM-1,VCAM-1などの接着分子とそのリガンドとの結合が重要であることが指摘されている。我々は、アデノウイルスを用いた高効率遺伝子導入法を開発し、生体血管内に類似した流速存在下での接着分子の機能解析を行うことシステムを構築した。さらにこの実験で得られたデータを画像処理および画像解析することにより、接着因子とケモカインとの双方によるローリング現象から接着現象にかけての制御メカニズムを明らかにした。この実験系を用いて動脈硬化における白血球接着の分子機構を明らかにし、その制御をつうじて新たな治療方法を確立していきたい。
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