GCN4と相互作用するMBF1の領域を決定するため、GCN4のMBF1との相互作用能が低下した変異株R245AあるいはR245QをサプレスするMBF1変異株を酵母の遺伝学的手法を用い1個のサプレッサー変異株を得た。また、MBF1と相互作用するTBPの領域を決めるため、GCN4機能特異的に転写活性能が低下するTBPの変異株をスクリーニングし、11個のTBP変異株を得て解析を進めている。 MBF1と相互作用するショウジョウバエ因子を新たに検索するため、Flagタグを付けたMBF1をショウジョウバエで発現できるトランスジェニックフライを作成した。このトランスジェニックフライ系統の胚核抽出液を調整し、Flag抗体レジンを用いFlag-MBF1に結合する因子を精製し、アミノ酸配列を決定した。この配列をもとに、データベースを検索したところ、この因子はAPTというbZip蛋白であった。APT全長およびbZip領域を用いたin vitro結合アッセイで、MBF1との結合が確認された。また、MBF1変異株は、APT変異株での気管系形成異常をエンハンスすることが明らかになり、ATPの作用にMBF1が関与することが示唆された。 MBF2と弱いホモロジーを有する因子をカイコから2個、ショウジョウバエから2個見いだした。これらは、いずれもエリ蚕MBF2で保存されている領域内に保存されてる領域が存在した。ショウジョウバエの2個の因子についてGST pull down法でMBF1との結合能を調べたところ、カイコMBF2と同様の結合能を示した。この結果から、MBF2は、ファミリーを形成している因子であることが推定された。
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