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1999 年度 実績報告書

細胞親和性の異なるHIVの活性化CD4陽性T細胞における増殖性の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 11161228
研究機関琉球大学

研究代表者

田中 勇悦  琉球大学, 医学部, 教授 (30163588)

キーワードHIV / CXCR4 / ヒトCD4細胞 / 単クロン抗体 / 病原性 / 細胞接着 / 合胞体
研究概要

ヒトCXCR4特異的単クロン抗体A80を用いて次のような新たな結果を得た。
(1)HIV-INL4-3感染活性化PBMCに低濃度のA80を添加することによって著明な合胞体が形成された。R5 HIV-1JR-CSF感染の場合においても程度は弱いながら小さな合胞体形成が観察された。
(2)A80添加により,どちらのウイルス感染系においてもCD4+T細胞の減少が著明に促進された。
(3)A80は,CXCR4細胞外部領域のアミノ酸配列を持つどの合成ペプチドとも反応しなかったが,2nd loopを認識する市販の抗体と結合競合した。
(4)精製A80を添加することによって細胞の凝集が促進された。
(5)A80による細胞凝集は,CEN細胞等の細胞株でも観察されたが,すべてのCXCR4陽性細胞が凝集するとは限らなかった。
(6)A80によるCEM細胞の凝集は,SDF-1やT22を添加することによって中和された。
(7)細胞間接着分子等の発現へのA80の影響を特異的抗体を用いてFCMで調べた。CD2(LFA-2,LFA-3L),CD11a(LFA-1 α,ICAM-1,2,3L),CD50(ICAM-3),CD54(ICAM-1),CD58(LFA-3),CD102(ICAM-2)の発現量には変化が見られなかった。活性化したPBMC上のCXCR4にA80抗体が結合することによって細胞間の接着が増強され,細胞の凝集が起こることによりHIV-1による合胞体形成が促進され,HIV-1増殖の増強とCD4+T細胞の枯渇が助長されることが分かった。この現象は,CXCR4の新たな機能とHIV-1病原性発現機序を示唆するものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Murakami T,et al: "Inhibition mechanism of the CXCR4 antagonist T22 against human immuno deficiency virus type 1 infection."Journal of Virology. 73. 7489-7496 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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