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1999 年度 実績報告書

転写因子WT1の造血発生分化における標的遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 11162218
研究機関広島大学

研究代表者

宮川 清  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40200133)

研究分担者 田中 耕三  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (00304452)
キーワード白血病 / WT1 / 変異 / 転写 / スプライス
研究概要

転写因子WT1はその造血系の分化調節における役割が明らかになりつつある。一方、残存白血病マーカーとして臨床応用されながらも、白血病に分子レベルでどのように関わるかは不明である。そこで、WT1の機能異常と白血病との関係を明らかにする目的で、4つの相異なる造血器腫瘍グループでWT1の変異解析を行った。その結果WT1の変異は急性骨髄性白血病に限られるが、成人・小児、病型を問わずその15%に見られること、及び予後不良と明らかな相関があることを発見した。
このようにWT1の機能異常が急性骨髄性白血病の病態に深く関わっている可能性が示唆されたため、その標的遺伝子の解析をES細胞におけるノックアウト実験で行った。この細胞においてはWT1のDNA結合能に重要であるZnフィンガードメインにneo耐性遺伝子を導入した。これらをDNAマクロアレイによるスクリーニングにかけたところ、WT1の変異の有無によって発現の変化が生じる約40個のクローンが同定された。しかし、その発現の差はわずかであり、しかもこれまでWT1の標的遺伝子として同定されている約20種類の遺伝子の発現の差は全く検出できなかった。この事実はWT1が単に転写調節によって発生分化を調整しているのではなく、別の機能がより重要である可能性を示唆する。
一方、WT1の核内局在を免疫組織染色で検討すると、タンパクレベルでスプライス因子と結合していることも明らかとなり、WT1の造血系における役割は複数の経路によって調節されているものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miyagawa,K.: "Mutations of the WT1 gene in childhood nonlymphoid hematological malignancies"Genes, Chromosomes & Cancer. 25. 176-183 (1999)

  • [文献書誌] Kubo,K.: "Detection of WT1 mRNA in urine from patients with kidney diseases"European Journal of Clinical Investigation. 29. 824-826 (1999)

  • [文献書誌] Patek,C.F.: "A zinc finger truncation of murine WT1 results in the characteristic urogenital abnormalities of Denys-Drash syndrome"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 96. 2931-2936 (1999)

  • [文献書誌] Davies,R.: "Multiple roles for the Wilms'tumor suppressor, WT1"Cancer Research. 59(suppl.). 1747-1751 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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