1)IAAld酸化酵素の生理的役割の検討 我々がシロイヌナズナでIAA生合成への関与の可能性を示したIAAld酸化酵素の過剰発現形質転換体を作成した。これまでに、少なくとも8ラインの独立なラインが単離され、その表現型を解析してきたが、現在の所、過剰発現株において野生型と比較して有意に異常な表現型は認められていない。 2)温度感受性胚性死突然変異体の探索 現在1次候補として温度感受性を示す可能性のあるものが6ライン単離できている。それらの種子を現在制限温度(22℃)と許容温度(16℃)で育成中である。 3)ニンジン不定胚を用いたオーキシンの胚発生への関与 効率は悪いが、ニンジンを用いて不定胚形成の系が確立した。今後、遺伝子導入の系を確立させ、レポーター遺伝子を導入して実験を進めていく予定である。 4)ABP1と直接相互作用するタンパク質の探索 輸送シグナルを持つABP1と、輸送シグナルを持たないABP1を酵母内で発現させた。その結果シグナルペプチドを含み、ER retention signalを含まないコンストラクトが酵母内でtwo hybrid systemに利用できることが明らかになった。このコンストラクトと、独立なクローンを約150万個もつ花芽由来のcDNAライブラリーを用いて2回独立にスクリーニングを行った。1回目は、約10万個のコロニーをスクリーニングし、330個も1次候補を得た。2回目は約476万個のコロニーをスクリーニングし、約11200個の1次候補を得た。現在1回目のスクリーニングの1次候補からの解析を進めており、2次スクリーニング(キュアリングテスト)により217個の候補を得た。
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