研究課題/領域番号 |
11164101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
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研究分担者 |
羽田 正 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
川中子 義勝 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 教授 (60145274)
中川 純男 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (60116168)
葛西 康徳 新潟大学, 法学部, 教授 (80114437)
多賀 茂 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70236371)
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キーワード | 古典教育 / 中等教育 / 文学教育 / コレージュ / ディベート |
研究概要 |
今年度より本調整班研究は月村が研究代表者を引き継ぐと同時に、新しく中等教育における古典教育を研究テーマに据え、都合4回、古典教育研究会という名称で講演会を開催。現在の日本、およびヨーロッパの古典教育の現状の把握に努め、それをもとにした共同討議によって、日本の古典教育がどのような形であるべきか、またありうるかについて考察した。各講演会の内容は以下の通り。 1)日本の中等教育における古典教育(講師:東京大学、藤原克己、長島弘明):古典の教科書に取り上げられる教材が近年、その数を減じ、かつ固定化されている。これは、教える教師の側の学力および研究心の低下に即した結果で、教科書に新しい教材を盛り込むことはほぼ不可能な現状にある。 2)イギリスの大学教育における古典(講師:オックスフォード大学、オズイン・マレー;ウォリック大学・ペネロペ・マレー):エリート層のための伝統的な古典教育システムをいかに維持するか、またそのかたわらで、一般学生を対象とした新設校における古典教育がどのような理念と方法によってなされているか(近代文学研究の枠組の中での意義付け、近代語訳による読解)、という二つの対立する問題点を抱えた現代イギリスの姿について、討議を加えた。 3)フランスの中等教育におけるフランス語教育(講師:ヴェロニック・ヴィェル):現職のコレージュ教師を招き、フランス語古典が前期中等教育においてどのような形で教えられているか、さまざまな伝統的方法と新しい工夫とを知見に加えた。 4)日本のディベート教育の可能性(講師:宇都宮大学、香西秀信):問いのレトリック、をめぐる講師独自のディベート方法論についての講演を出発点とし、今後、高校のカリキュラムに組み入れられるべきディベート教育の理念と方法について、他調整班のメンバーも加えた上で多方面から検討を加えた。
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