1.年間合計18回、大小の研究会議を開いた。会議では、代表者・分担者と協力者が新出の資料である郭店楚簡『老子』、それに対抗した郭店楚簡の儒家系の資料、および林希逸『三子口義』について最新の研究を報告し、それに基づいて参加者が全員で討論を行った。協力者には、彭浩、ルドルフ・ワグナー、大野出など、内外の著名な学者を多数迎えて専門的知識を提供してもらった。研究成果は、代表者著『郭店楚簡老子研究』・代表者監修『郭店楚簡の思想史的研究』第3巻にまとめて刊行した。 2.高性能ノート型パソコン1台を購入し、これを用いて『老子』など新出資料のデータベースを作成した。その入力は、代表者・分担者・協力者の無償奉仕であるが、一部分、学生アルバイトを委嘱した。また、専門書店より出版された新出資料のCD-ROMを購入して、研究の便を図った。 3.林希逸『三子口義』の内外における版本を調査するために、代表者と協力者は調査旅行を国内3回と海外1回(台湾、代表者の私費)を行った。調査した版本は、マイクロフィッシュ化およびゼロックスコピー化したが、デジタル撮影は版本の所有者の拒否に会ったため進捗しなかった。この方面の研究成果も、『郭店楚簡の思想史的研究』第3巻(前掲)にまとめて刊行した。 4.代表者と分担者は、個別に合計3回、延べ27日間、海外調査・研究旅行を行った(1回は代表者の私費)。目的地は中国の北京市・山東省曲阜市・湖北省武漢市、台湾の台北市・新竹市の各研究機関であり、本研究課題に関して、講演・座談会を行い(延べ4回)、国際会議に参加し(延べ3回)、海外の学者(合計60名)と意見交換し、版本調査(1回)・資料捜集(4回)を行った。
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