研究課題/領域番号 |
11164232
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間野 英二 京都大学, 文学研究科, 教授 (10027964)
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研究分担者 |
真下 裕之 京都大学, 人文科学研究科, 助手 (70303899)
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キーワード | チャガタイ・トルコ語写本 / ペルシア語写本 / バーブル・ナーマ / ターリーヒ・ラシーディー / パードシャーフ・ナーマ / グルシャネ・イブラーヒーミー |
研究概要 |
本年度は、間野が7月にロシアのサンクト・ペテルブルグにおもむき、ロシア科学アカデミー東洋学研究所所蔵のチャガタイ語写本を調査し、『バーブル・ナーマ』の写本2種、『ターリーヒ・ラシーディー』のチャガタイ語訳本写本3種、バーブルの『ムバイイン』写本1種の、計5種の写本のマクロフィルムを入手した。これらは直ちに焼き付け、すでに一部をコンピューターに入力して研究に利用している。この研究の結果、サンクト・ペテルブルグの『バーブル・ナーマ』2写本が、先に間野が『バーブル・ナーマ』校訂本(1995年刊行)作成の際に利用した諸写本とは、かなり性格を異にする特異な性格のものであることが明白となった。この点については、11月に京大会館で開かれた原典班研究集会の席上、「チャガタイ語、ペルシア語写本に関わる今年度の研究状況について」と題する研究発表で報告した。また『ターリーヒ・ラシーディー』のチャガタイ語訳本は3種とも訳者を異にする興味深い作品で、現在、鋭意その内容を検討中である。 一方、真下は11月にイギリスのロンドンとオックスフォードにおもむき、大英図書館、王立アジア協会、ボードリアン図書館において主にペルシア語文献を調査し、『パードシャーフ・ナーマ』『グルシャネ・イブラーヒーミー』など、ムガル朝関係を中心とするペルシア語本19種のマイクロフィルムを入手し、現在、その内容を検討中である。真下は、これらの他に、『サングラーフ』と呼ばれる18世紀のイランで作成されたチャガタイ語・ペルシア語辞典の写本2種のマイクロフィルムをも将来した。これらの2写本は、現在、間野を中心に、かつてG.クローソンが出版したギブ記念財団所蔵の1写本のファクシミリ一本とも対照しつつ、コンピューターを利用した校訂本作成へ向けての下準備を進めている段階である。
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