研究代表者は、本年度、朝鮮資料の資料整理と資料収集を中心に活動した。朝鮮資料類は、浜田敦元教授の蔵書を整理し、関係資料を一括して購入することができ、朝鮮関係の図書が充実し、研究にも大いに役立った。また、京都大学附属図書館の河合文庫は朝鮮史料の大きなコレクションとして知られているが、まだ、簡単な目録があるだけであるため、利用が難しい状態にある。現在、この河合文庫の各本を一つ一つ確認していく作業を行っている途中である。 研究分担者は、バレト写本の読解と注釈を中心にしつつ、バレト写本をはじめとする、日本の聖書の受容の歴史について研究を続けている。現在のところバレト写本の元になった原典は突き止められていないが、ヨーロッパにおいても、エヴァンゲリアと呼ばれる、説教する人々への、参考書があり、それらがバレト写本の元になったのではないかと推論できる程度になり、その写本類の写真を収集しつつある。 研究代表者・分担者の研究分野では、歴史的な資料との関連も深く、文化史的な考察をする前に、資料の整理と収集が必要であるため、いわゆる基礎作業の途中で、本年度が終わったという状況である。
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