研究概要 |
本研究による成果として,まず『全元散曲』をすべてコンピューターに入力し,データテベース化した。現在校正中であり,近いうちに公開する予定である。次に元代の散曲と関連分野である元雑劇,諸宮調,さらには古典詩歌との比較を行い,日本最古の漢詩集『懐風藻』に見える大津皇子「臨終一絶」詩と類似の中韓の臨刑詩を検討,それらのもつ意義を元雑劇の類似句の用例により解釈し,「臨刑詩の系譜」として発表,また元代類書『事林広記』中の法令記事を元雑劇の用例と比較検討し,「制度としての古典-元代類書『事林広記』の法律記事,と題して発表,さらに金代の「董解元諸宮調西廂記」の内容表現を,元の散曲,宋の詞など関連ジャンルと比較して,「『董西廂』における時間の推移と季節表現」にまとめ,本研究の成果として発表する予定である。
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