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1999 年度 実績報告書

古典期ギリシア哲学の変容-新プラトン主義による文献的・思想的改竄の問題

研究課題

研究課題/領域番号 11164248
研究機関京都大学

研究代表者

中畑 正志  京都大学, 文学研究科, 助教授 (60192671)

キーワード魂 / 『デ・アニマ』 / 新プラトン主義 / アリストテレス / 哲学史記述
研究概要

本年度は、この研究課題の遂行のために最も基礎となる作業を行った。
(i)まず、古典期において、それまでの魂(ψυχη')に対する見方を集約し、その後の魂や心の理解に対して最も影響を与えたアリストテレスの著作De Animaについて、テキストの校訂、翻訳、注釈の作業を進めた。この作業を通じて、アリストテレス自身の魂の捉え方を解明するとともに、新プラトン主義者をはじめとした古代後期からイスラムさらには中世スコラ期のさまざまな注釈に見られる独特の視点を、個々のパッセージにの具体的解釈の分析を通じて、明らかにしつつある。このうち校訂及び翻訳については、ほぼ作業を終え、翻訳は、2000年度中に刊行される予定である。
(ii)また、古代ギリシアのテキストと思想の受容を考えるとき、そもそもわれわれが古代哲学者のテキストや「断片」として受け取っているものがいかにして成立しているのか、という問題をつねに念頭においておくことが必要である。この点について本年度は、とくにソクラテス以前の哲学者たちについての根本資料とされるH.Dielsの研究が、やはりある時代的制約を免れていないことを、Mansfeldらの研究成果をもとにして明らかにした。さらに、そもそも古代における「哲学史的記述」をはじめて試みたアリストテレス自身はどのような視点をもってそうしたのかということを解明し、人間の思考活動が成立するうえでの言語の規範的役割の重要性に対する彼の評価が、その基盤となっていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中畑 正志: "古代ギリシア哲学を真剣に考えるための一つの案内-あるいはロゴスとピシュス-"現代思想. 27巻9号. 108-115 (1999)

  • [文献書誌] 中畑 正志: "病-その文法とレトリカ-"古代哲学研究. 31(近刊(未定)). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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