研究課題/領域番号 |
11164259
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今西 裕一郎 九州大学, 文学部, 教授 (90046219)
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研究分担者 |
室城 秀之 白百合女子大学, 文学部, 教授 (80174324)
小西 貞則 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (40090550)
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キーワード | うつほ物語 / 源氏物語 / 品詞度数 / 文体 / 物語の文章 |
研究概要 |
初年度としての平成11年度は、「うつほ物語」のデータベース作成を目指し、入力テキストの整定、および本文の入力、点検を行った。 入力テキストの整定は、信頼するに足る鎌倉・室町期の古写本を欠く「うつほ物語」伝本中では善本としての評価の高い、尊経閣文庫蔵前田家本に拠り、その翻字原稿を研究分担者室城が作成した。その入力は統計数理研究所において行い、影印本との対照を含む入力結果の点検作業を九州大学で行った。 さらに本研究の目的である「源氏物語」の文章との比較計量的研究の実施のため、入力した「うつほ物語」の本文に対し、「源氏物語大成」牽引篇の単語認定基準に合わせた一応の単語分割を施した。「一応の」という保留を付したのは、「うつほ物語」には「源氏物語」に見出されない語も少なからずあって、「源氏物語」に存在しない複合語、連語等の認定を「源氏物語」に存在する語に合わせて分割するという作業が、11年度中には完全に終了しないからである。 しかし、平安時代物語文の比較計量的研究として、「うつほ物語」の文章を「源氏物語」と比較する基礎データの構築は達成されたということができる。 以上の成果をもとに、12年度は比較計量作業に入る予定である。
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