研究課題/領域番号 |
11164262
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
吉田 豊 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (30191620)
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研究分担者 |
松井 太 大坂大学, 日本学術振興会特別研究員
松川 節 大谷大学, 短期大学部, 講師 (60321064)
影山 悦子 神戸市外国語大学, 日本学術振興会特別研究員
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キーワード | 仏教本生譚 / ヴェッサンタラ・ジャータカ / 中央ユーラシア / ソグド語仏典 / チベット語仏典 / モンゴル語仏典 / ウィグル語仏典 |
研究概要 |
初年度は、中央ユーラシア地域に広く伝播し、多言語で伝存している仏教文献『ヴェッサンタラ・ジャータカ』のテキスト蒐集と訳註の作成、及びテキストの電子化を目指した。仏陀の本主譚のなかでも最も有名で人口に膾灸している『ヴェッサンタラ・ジャータカ』には、パーリ、サンスクリット、漢文はもちろんのこと、ソグド、トカラ、コータン、ウイグル、チベット、モンゴル(モンゴル文語・オイラート方言)の各言語テキストが伝存しており、各言語テキストの当該言語文化圏における伝承形態とともに、この物語が各文化圏を跨いで伝承されていく過程を位置付けるための格好の資料である。 本年度は、従来、あまり研究されてこなかったモンゴル語テキストを蒐集するために、研究分担者の松井がロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部を訪れ、テキスト及び関連資料の調査を行なった。また、大阪外国語大学大学院の山口周子が中国・内蒙古図書館から将来した北京版モンゴル大蔵経論説部所収のモンゴル語テキストについて、訳注作業を開始した。因みに、このテキストは、従来知られているモンゴル語テキストとはまったく系統の異なるものであり、非常に価値が高い。さらに中央アジアに伝播したこの本主譚のユニークな伝承形態である,ミーランの仏教遺跡で発見されたクシャーン朝の遡る壁画も視野に入れ資料の調査を開始した。
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