研究課題/領域番号 |
11165205
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
薛 其坤 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
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研究分担者 |
中山 幸仁 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50312640)
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / ナノチューブ / フラーレン / 探針 |
研究概要 |
ナノチューブからなるSTM探針の開発についてはニッケルや鉄の針上にナノチューブを直接成長しようとする名古屋大学の篠原教授との共同が成果を得られず、結局ウィスコンシン州立大学(USA)のラガリ教授のサポートで探針の作成には成功しFIMによる探針の評価およびSTMによる観察を行ったがこの種の探針は極めて不安定であり所期の成果を得るにいたらなかった。一方フラーレン探針による超高真空中でのSTM観察についてはSi(111)7x7表面上に吸着したC60分子をタングステン探針上に吸着させ、STM観察を行ってきた。 またフラーレン・ナノチューブに関する業績としては、フラーレンのフッ素誘導体(C60FX:X=44-48)をSi(111)7x7表面上に吸着させ、その吸着状態をSTM-HREELS(高分解能電子エネルギー損失分光法)で解析し、C60FX分子のフッ素原子のうちかなりの部分がC60分子自身の分解に至らずにシリコン表面上に移動する現象を見いだし、さらにこのフッ素の移動が、C60FX分子がシリコン表面上で転がりながらフッ素原子を表面上に転写していく事によって起こる事をSTMによる原子分解能観察によって解明した。また、フッ素をシリコン表面上に落とすことによってC60FX分子のHOMOの位置が浅くなることや、シリコン表面上に移動したフッ素原子よって起こるシリコン表面のエッチングの過程に高密度フッ素吸着領域における低温(300℃)でのエッチピットの形成と、高温(500℃)におけるフッ素脱離に伴うステップ端からのエッチングの2種類が存在することが判明する等の興味深い結果を得ている。C60FX分子のエッチングの過程を明らかにするためにF分子を表面に導入してそのエッチングの過程と比較して興味ある結果を得た。
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