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1999 年度 実績報告書

カーボンナノチューブおよびフラーレンネットワークの電子過程

研究課題

研究課題/領域番号 11165210
研究機関東京大学

研究代表者

田村 了  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20282717)

研究分担者 塚田 捷  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011650)
キーワードカーボンナノチューブ / ナノチューブ接合系 / 強結合モデル / 5・7員環欠陥 / 有効質量近似 / 透過率
研究概要

カーボンナノチューブにはその円周やグラファイト蜂の巣格子の螺旋度によって金属的なものと半導体的なものがある。金属的ナノチューブの間の5・7員環欠陥対による接合系を流れる電子の透過率ついて我々は、I)円周比R_7/R_5と規格化エネルギー|E|/Ecのみによって透過率が決定することと、ii)有効質量近似と強結合モデルがほぼ一致した透過率を示すことをこれまでに見出してきた。ここで、R_5,R_7(R_5【greater than or equal】R_7)は接合された金属チューブの円周長で、2つのチューブのチャンネル数がともに2のフェルミレベル(E=0)付近のエネルギー領域|E|<Ecを考えた。本年はさらに以下の結果を得た。
1:波動関数の絶対値の2乗を円錐台形接合部とチューブ部の境界線にそって積分したもののうち、入射側のものを透過側のもので割った量をΦと書くとT【similar or equal】2/(Φ+1)と表せることを示した。TやΦのR_7/R_5と|E|/Ecへの依存性は大きく領域(a)T【similar or equal】Φ【similar or equal】1と領域(b)T【similar or equal】1/Φ∝(R_7/R_5)^3に分類され、前者ではΦは円周比R_7/R_5について平面波の半波長にほぼ等しい周期で振動する。これは、領域(a)ではチューブ部の平面波の波長(∝1/|E|)に対する接合の厚さR_5-R_7の相対的な長さ(∝|E|(R_5-R_7))が領域(a)では短いため電子は接合部の中に入り込めるが、領域(b)では長いため反射が大きくなると解釈できる。
2:フェルミレベルでの有効質量近似による透過率T_<k-p>と強結合モデルの間の透過率T_<TB>の差△T≡T_<k-p>-T_<TB>を円周比が1に近くチューブ軸が平行な時について求めた。その結果は、ボルン近似と有効ポテンシャルから求まる△T=(R_5-R_7+A)/(B R^2_5)(A,B=定数)と定性的に一致した。これは、接合系を相似に大きくしていくと格子の不連続性からくる効果が小さくなっていくことを示す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田村了: "Relation between transmission rates and the wave functions in carbon nanotube junctions"Physical Review B. (印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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