研究課題/領域番号 |
11165218
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岩佐 義宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (20184864)
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研究分担者 |
安 正宣 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (10249956)
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キーワード | フラーレン / カーボンナノチューブ / 計算機実験 / 力学的性質 / インターカレーション / ラマン散乱 / 光物性 |
研究概要 |
ナノスケールの新規炭素材料、フラーレンおよびカーボンナノチューブをベースに新しい物性、機能性を探索するため、新物質の開発と物性評価を行い以下の成果を得た。 1.カーボンナノチューブの力学的性質 単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、グラファイトを筒状に丸めた一次元物質である。その構造的特徴によりチューブ方向のひっぱり強度がダイヤモンドに匹敵するほど強いことが知られており、新しいタイプの構造材料として期待されている。本研究では、その力学的特性を計算機実験により明らかにした。具体的には、応用上重要である大歪み領域でのチューブ強度とナノチューブの巻き方(ネットワーク構造)との関係、さらにはチューブ圧縮時のバックリング特性の温度効果などを議論した。とくに、圧縮時と引っ張り時では、ナノチューブの力学強度が大きく異なるという連続体の力学では説明できない振る舞いを示すことが分かり、これがチューブの巻き方(ネットワーク構造)と密接に関係していることを明らかにした。 2.カーボンナノチューブのドーピング特性の解明 単層カーボンナノチューブは通常、束を作って成長する。その束の隙間には比較的大きな隙間があり、ここにアルカリ金属などを挿入(インカーカレート)とすることが出来る。この特性から、水素吸蔵材料、リチウム電池の負極材料などへの応用が期待されており、アルカリ金属のインターカレーション機構の基礎研究は極めて重要になってきている。本研究では、アルカリ金属(カリウム)のインカーカレーション過程を、ラマン散乱、x線光電子分光、光吸収などいくつかの分光手法を組み合わせて明らかにした。
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