研究課題/領域番号 |
11165241
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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研究分担者 |
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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キーワード | シリコン / 低次元構造 / トンネル顕微鏡 / フラーレン / ナノ構造 / ナノチューブ / SiC / グラファイト |
研究概要 |
Si(110)清浄表面は凹凸が一次元に配列した構造をもち、その周期は約5nmである。表面の原子構造は最近我々のグループで明らかにし、シリコン5員環がペアとなり表面に配列している。本研究の特徴はこの独特な構造をナノサイズ新物質創製のためのテンプレートとして用いることである。具体的にはフラーレンをこの凹凸に沿って配列させることを目的とする。 (1)フラーレンを室温にて蒸着すると凹凸両者に吸着した。吸着位置はテラスを構成するシリコンペンタゴンユニットの中央部に位置し、テラスの中央からは多少ずれていた。この結果はペンタゴンユニットが大変反応性が高いことを示すものである。さらにこの表面をアニールすることにより分子が拡散しクラスターをつくると同時に表面のファセット化を引き起こし、ナノサイズの剣山が表面に形成された。最終段階のピン止めはSiCによるものと考えられる。 (2)今回の1次元構造はマクロスケールでは等価な異なる2つの方位が混在しており、このことは電気的測定をする上でネックとなる。そこで我々はこの方向に垂直な方向にオフセット角を有する特殊なウェハーを製作し、一方の方位が支配的になるような基盤の作成を試みた。トンネル顕微鏡で表面を観察した結果設計通りマクロスケールでも完全に一次元の基板が形成されていることを確かめた。現在この表面にフラーレンを吸着させ、電気的な特性を測定している。 (3)凹凸の周期を任意に変更することを目的として同属原子のドーピングを試みた結果、5nmの周期が8nmに増加することを見出した。この表面にもフラーレン吸着を試みる予定である。
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