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2001 年度 実績報告書

超高速反応の波束ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 11166216
研究機関東京大学

研究代表者

山下 晃一  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)

研究分担者 中島 徹  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70292779)
キーワード量子力学的速度定数 / 流束相関関数 / 量子ダイナミクス / 緩和過程 / 量子制御 / チャープパルス / コヒーレンス / 状態分布制御
研究概要

(1)流速交差相関関数による量子力学的速度定数
厳密な量子力学的速度定数は流速自己相関関数に基づいた手法により得られる。その中で、反応系は反応物と生成物の2チャネルに分割され、その分割面を通る流束の自己相関が反応速度定数を決定する。そのため、この手法を三つ以上のチャネルを持つ反応系に適用するにあたり、速度定数の定義自体が困難または不明瞭となってしまう。一方、交差相関関数は、そのような反応系の速度定数を明確かつ効率的に与える。それは、複数の分割面により反応系に存在する各チャネルをそれぞれ区別し、目的とするチャネル間の速度定数を二枚の分割面の流速の収支という形で与えることができるからである。本研究では自己相関関数では扱い難い複数のチャネルを持つ反応系に対し、交差相関関数を適用することで各チャネル間の遷移速度の定義を可能とした。
(2)緩和存在下における量子制御
量子系は何らかの形で外界と接触しており、量子系ダイナミクスの制御に関して緩和の影響を検討する必要がある。レーザー制御の場合、緩和は制御を乱す方向に働くと考えられる。例えば量子コンピュータの設計においては緩和による量子状態のデコヒーレンスをいかに制御するかが重要な問題である。一方で緩和を積極的に利用する状態制御もある。分子のレーザー冷却では自然放出によってコヒーレンスを失った分子がレーザー場と相互作用しないことを利用して冷却を達成しようと試みられる。本研究では、緩和の影響を抑制する立場でのチャープパルスによるレーザー制御と、緩和を積極的に利用した状態分布の制御について検討した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] G.Katz, K.Yamashita, Y.Zeiri, R.Kosloff: "The Fourier Method for Tri-atomic Systems in Quest of the Optimal Coordinate System"Phys. Chem. Chem. Phys.. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 中山, 山下: "Absorption Spectra of Alkali Atoms (Li, Na, K) Attached to Super fluid Helium Clusters"Spectral Line Shapes. 11. 265-272 (2001)

  • [文献書誌] 三嶋, 山下: "A Theoretical Study on Chirped Coherent Raman Spectroscopy"J. Phys, Chem. A. 105. 2867-2878 (2001)

  • [文献書誌] 阿部, 山下: "Theoretical Study on the Photo-Stimulated Desorption of Xe from an Oxidized Si(001) Surface"Chem. Phys. Lett.. 343. 143-150 (2001)

  • [文献書誌] 島村, 三嶋, 山下: "Laser Control and Manipulation of Molecules"米国化学会(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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