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1999 年度 実績報告書

原子・分子の集合化による構造修飾と反応制御

研究課題

研究課題/領域番号 11166217
研究機関東京大学

研究代表者

永田 敬  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10164211)

研究分担者 佃 達哉  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (90262104)
キーワード原子・分子クラスター負イオン / 溶媒和構造 / 負イオン-分子反応 / 反応制御 / クラスター内ラジカル重合 / 単分子溶媒効果
研究概要

本研究では,(1)気相の反応試剤を「集合化」によって修飾することにより,反応のメカニズムがどのように変化するかを調べ,(2)「集合化」を用いて気相反応の断面積・分岐比を制御するためのストラテジーを開発することを目的とし,以下の研究を行なった.
1.装置の開発 集合化した気相反応試剤,特に気相クラスター負イオンを対象とした詳細な衝突反応実験を行なうために,、クラスター負イオン源,タンデム型質量選別装置,衝突反応装置,レーザー光電子分光計,レーザー光解離分光計から構成される装置を設計・製作した.さらに,光パラメトリック発振レーザーシステムを整備・拡充し,レーザー光電子分光法,光解離分光法の感度の向上を図った.
2.反応試剤の構造修飾と評価 反応試剤となる負イオンの周囲に溶媒和環境を造り,電子構造・幾何構造の修飾の様子を評価した.例えば,(CO_2)_n^-,(CO_2)_m^-(H_2O)_n(CH_3OH)_k,O^-(NO)_nについて光電子スペクトルを測定し,その電子構造を評価した.また,ab initio計算を併用し,反応試剤の幾何構造・電子構造に関する情報を得た.
3.単分子溶媒和系の光解離 気相における電子過剰型ポリハロゲンI_3^-の光吸収スペクトル,光解離質量スペクトルを測定し,光解離の分岐比に極めて顕著かつ系統的な単分子溶媒効果(唯ひとつの分子が溶媒和したことによって引き起こされる溶媒効果)を見出した.この結果は,凝縮相におけるI_3^-の光解離メカニズムに対して分子レベルの情報を与えると共に,溶媒効果による光解離の制御に繋がるものである.
4.クラスター内ラジカル反応 (CO_2)_n^-とアクリロニトリルとの反応によって,クラスター内ラジカル重合の開始剤として有効に作用するdistonic radical anion^-O_2CCH_2-CHCNが生成するプロセスを見出した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Tsukuda et al.: "Electronic isomers in [(CO_2)_nROH]- cluster anions. I. Photoelectron spectroscopy"Journal of Chemical Physics. 110. 7846-7857 (1999)

  • [文献書誌] M. Saeki et al.: "Electronic isomers in [(CO_2)_nROH]- cluster anions. II. Ab initio calculations"Journal of Chemical Physics. 111. 6333-6344 (1999)

  • [文献書誌] K. Kaneda et al.: "Photodissociation of some simple nitriles in the extreme vacuum ultraviolet region"Chemical Physics. 243. 89-96 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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