研究課題/領域番号 |
11166254
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
永瀬 茂 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30134901)
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研究分担者 |
赤阪 健 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60089810)
小林 郁 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30285093)
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キーワード | 高周期元素 / 二重結合 / 三重結合 / 球状分子 / 金属内包フラーレン / 金属内包ヘテロフラーレン / 分子設計 / 理論研究 |
研究概要 |
(1)高周期14族元素の多重結合の特性と構築 (a)シラナフタレンとシラベンゼンの構造を理論予測した。シラベンゼンの水やアルコールとの反応性を明らかにし、これらをベンゼンの反応性と比較した。(b)非対称に置換されたシクロトリゲルメンを合成し、X線結晶解析を理論計算より構造を決定した。これは、シスに折れ曲がった二重結合を持つ最初の例である。(c)置換基の電子効果と立体効果を系統的に明らかにし、異性化に対しても二重化に対しても非常に安定な、ケイ素ーケイ素三重結合をもつ分子の理論設計を行った。また、ゲルマニウム、スズ、鉛の三重結合の可能性にも検討を加えた。 (2)金属内包フラーレンの構造、電子特性、動的挙動 (a)最近注目を集めているSc_3@C_<82>を取り上げて、金属が3個内包されたフラーレンの構造と電子状態を理論的に明らかにし、金属を1個あるいは2個内包するフラーレンとの比較を行った。各Sc原子から2個の電子がフラーレンに移動する結果、電子状態は(Sc^<2+>)_3C_<82>^<6->となる。内包された3個のSc原子は炭素ケージ内を高速に回転運動をしている。総数が37,719個にもなるC_<82>フラーレンの異性体を検討することにより、これまでに確立されてきた孤立5員環則を破る構造も金属との相互作用により安定になることを見いだした。これらの構造においても、3個のSc原子は炭素ケージ内を高速に回転運動している。(b)電子密度とラプラシアンのトポロジー解析より、金属内包フラーレンの結合特性を明らかにした。(c)フラーレン、ヘテロフラーレン、金属内包フラーレンに続く第4の形態として、金属内包フラーレンのケージ炭素をヘテロ原子で置換した金属内包ヘテロフラーレン合成の可能性を検討し、La@C_<81>NとLa_2@C_<79>Nの検出に成功した。空のヘテロフラーレンとは異なり、スピンは金属上に移動するので、単体量として単離できることを提案した。
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