分子シンクロフォトニッククリスタルによる光変調デバイスの開発

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11167207
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 谷田貝 豊彦 筑波大学, 物理工学系, 教授 (90087445)
• 研究分担者: 原田 健治 筑波大学, 物理工学系, 講師 (30312820) ; 伊藤 雅英 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (30150874)
• キーワード: 空間光変調器 / フォトニッククリスタル / 非線形光学材料 / 電場配向ポリマー

研究概要

光情報処理関連の材料、デバイス技術において、新しいパラダイムである分子シンクロナイゼーションによる研究がスタートようとしている。従来の光変調素子用の非線形光学材料としては、液晶、半導体材料、無機誘導体結晶、有機非線形材料等が知られていた。
最近、フォトニッククリスタルという全く新しい概念により、設計製作された非線形材料を用い、従来材料では困難であった、高効率高性能空間光変調素子を開発する試みがなされている。本研究では、フォトニッククリスタルによる光波のシンクロナイゼーション制御により、高効率非線形現象の発現を確認し、この材料のデバイス化のための基礎研究を行う。ここでは、コロイドネットワークのシンクロナイゼーション手法をと入りいれ、有機非線形効果を有する色素をドープしたポリマー粒子の三次元配列材料のデバイス化研究を行った。具体的には、メガヘルツ程度の動作速度を有する電解印可による位相変調を利用した空間光変調期の開発を目的とし、試作するフォトニッククリスタルと平坦化集積回路のボンディングによる新しいデバイスの設計試作評価を行った。
先ず、フォトニッククリスタル中の光波伝播特性評価のための白色干渉計と変調特性評価のための偏光解析装置の試作を行った。
誘電多層膜により一次元完全フォトニッククリスタルの試作と、これに有機非線形膜(DR-19/PMMA)を取り込んだフォトニッククリスタルの作り、非線形光学効果の増強を確認した。さらに、シンクロナイゼーション効果を利用した、吸収バント付近の波長を用いて、吸収共鳴効果による増幅効果の観測にも成功した。

研究成果

• [文献書誌] Y.Hayasaki,M.Itoh T.Yatagai and N.Nishida: "Normechanical Optical Manipulation of Microparticle Using Spatial Light Modulator"Opt.Rev. 6・1. 24-27 (1999)
• [文献書誌] 谷田貝豊彦、原田建治: "分子シンクロナイゼーション光デバイス"光学. 28・6. 325-328 (1999)
• [文献書誌] H.Huang,M.Itoh and T.Yatagai: "Phase Retrieval of Phase-Shifting Interferometry with Iterative Least-squares Fitting Algorithem:Experiments"Opt.Rev. 6・3. 196-203 (1999)
• [文献書誌] N.Yoshikawa,T.Yatagai: "Interpolation Method for Computer-generated Holograms Using Random Phase Technique"Opt.Rev. 6・5. 433-438 (1999)
• [文献書誌] K.Munakata,K.Harada,N.Yoshikawa M.Itoh,S.Umegaki and T.Yatagai: "Direct Fabrication Methods of Surface Relief Electro-Optic Gratings in A20-Polymer Films"Opt.Rev. 6・6. 518-521 (1999)
• [文献書誌] F.Lei,H.Huang,N.Yoshikawa M.Itoh,T.Yatagai: "Performance of Binary Joint Transform Correlator Using Linear Combination Threshold Function"Opt.Commun,. 169. 207-221 (1999)