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1999 年度 実績報告書

酵素の阻害作用に基づく物理・化学情報の信号増幅

研究課題

研究課題/領域番号 11167215
研究機関東京大学

研究代表者

立間 徹  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90242247)

キーワード酵素電極 / 活性制御 / 相転移ゲル / ヘムペプチド / 阻害作用 / 酵素モデル / ヒスチジンセンサ / バイオセンサ
研究概要

酵素などのバイオキャタリストを、ある一定方向への反応の流れを作る分子素子と捉えると、その阻害剤が存在するという情報は、反応の流れをせき止める作用を通じて信号増幅されることになる。酵素ペルオキシダーゼのモデル物質であるヘムペプチドを固定化した電極は、過酸化水素還元活性を持ち、その反応速度を還元電流として観測できる。イミダゾールやヒスチジンはその活性を阻害する作用を持つため、電流値の低下に基づいてこれらの阻害物質の定量を行うことが可能であるが、そのままではイミダゾールとヒスチジンを同時に含む溶液の定量分析はできない。本研究では、ヘムペプチド固定化電極をN-イソプロピルアクリルアミドゲル膜で被覆し、温度変化に対応したゲルの体積相転移に伴う、阻害作用の変化について調べた。その結果、ゲルを膨潤状態から収縮状態(膨潤時よりポリマー鎖の網目が細かく、膜内の疎水性が高い)に変化させた場合、イミダゾールによる阻害作用はほとんど変化しないのに対し、より分子サイズが大きく親水性の高い、ヒスチジンによる阻害作用は大きく抑えられることがわかった。すなわち、阻害物質に対する感度を選択的に制御できることがわかった。このことから、膨潤状態と収縮状態のそれぞれにおける応答に基づき、イミダゾールとヒスチジンという二つの阻害物質の濃度を定量することが可能であることが示された。また、阻害作用を利用した、酵素モデル電極の活性制御も可能であることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 立間徹: "Selective Control of Sensitivity of imidazole Derivative of Interference-Based Biosensors by Use of a Phase Transition Gel."Chemical Communications. 1999. 2395-2396 (1999)

  • [文献書誌] 野津英男: "Introduction of Oxygen-Containing Functional Group onto Diamond Electrodes Surfaces by Oxygen Plasma and Anodic Polarization"Electrochemical and Solid-State Letters. 2. 522-524 (1999)

  • [文献書誌] 立間徹: "Multichannel Quarts Crystal Microbalance"Analytical Chemistry. 71. 3632-3636 (1999)

  • [文献書誌] 立間徹: "Electrochemically Induced Mass Transfer and Rheological Change of Nafion Coatings Fully Loaded with [Os(bpy)3]2+"Journal of Electroanalytical Chemistry. 469. 34-42 (1999)

  • [文献書誌] 立間徹: "Remote Bleaching of Methylene Blue by UV-Irradiated TiO2 in the Gas Phase"The Journal of Physical Chemistry B. 103. 8033-8035 (1999)

  • [文献書誌] 立間徹: "Microstructured TiO2 Templates for the Preparation of Size-Controlled Bryopsis Protoplasts as Cell Models"Advanced Materials. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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