研究課題/領域番号 |
11167219
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
西尾 嘉之 東京農工大学, 工学部, 教授 (00156043)
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研究分担者 |
宮下 美晴 東京農工大学, 工学部, 助手 (00293259)
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キーワード | 液晶系 / 分子シンクロナイゼーション / 糖質高分子 / セルロース誘導体 / イオン性粒子 / ゲスト分子 / コレステロール誘導体 / 情報変換機能 |
研究概要 |
本研究では、液晶(高)分子とイオン性粒子またはゲスト分子との共存系を対象に、分子シンクロ効果を利用してマクロな材料としての性質を外部制御しうる新たな情報変換・伝達システムを構築することを目的とした。得られた主な成果は以下の通りである。 1.糖質高分子のリオトロピック液晶および液晶フィルム (1)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/水/無機塩の系を対象に、電場刺激の下、共存イオンの分布変動にシンクロさせて液晶呈色状態と透明度を外部制御する方法論を確立した。特に、セル中に封入した試料の全面を瞬時に透明【double arrow】白濁変換させることに成功した。また、電極間に挟み込んだ本濃厚系が蓄電作用を示すことを明らかにした。 (2)HPC/水/アミノ酸系コレステリック液晶では、共存アミノ酸と溶質高分子との立体的相互作用に起因して液晶のキラリティーが鋭敏に変化しうることが判った。 (3)溶媒にメタクリレート系モノマー混入液を用いたHPC液晶を重合・架橋することにより、コレステリック構造を保持した液晶ネットワークの作製に成功した。このフィルムを各種塩水中に浸漬膨潤させることで、塩イオンの作用により呈色変化や白濁化が誘起されることが判った。 2.コレステロール誘導体及び錯形成物のサーモトロピック液晶並びに液晶ガラス カルボキシル基を分子末端に有するコレステロール誘導体と鎖状アミンとによる錯塩型コンプレックス、およびステロイド基間をエステル結合で繋いだ双頭型化合物を調製し、熱的相転移現象、および、ガラス性液晶ネットワークの形成挙動と緩和特性を解析した。情報変換・記録媒体としての液晶ガラスの有用性が示唆された。
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