研究課題/領域番号 |
11167220
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
渡辺 敏行 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10210923)
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研究分担者 |
戸木田 雅利 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助手 (30301170)
宮田 清蔵 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (90015066)
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キーワード | 電界発光素子 / 分子シンクロナイゼーション / ゲストホスト / EL光2色性 |
研究概要 |
本研究では、分子シンクロナイゼーション現象を利用して、有機電界発光(EL)素子や電気化学発光(ECL)素子の偏光特性、指向性を制御し、面発光レーザーを創製するための基礎的な知見を得ることを研究目的とする。シリンドリカルプリズム上にスバッタ装置を用いてITO膜を形成しその上にEL素子を作製した。マトリックスにはポリビニルカルバゾール、あるいは電荷輸送能の大きなディスコティック液晶を使用し、双極子モーメントを有する分子および電子輸送剤をドープして、スピンコート法により、電界発光素子を作製した。シリンドリカルプリズムは、従来、平面基板では全反射が生じるために取り出すことができなかった発光を取り出し、その指向性を解析するために用いた。発光強度分布はEL素子を回転させながら、ロックインアンプと光電子増培官により測定した。プリズムの45°方向から、放射されたEL光の偏光異方性の印加電圧依存性を測定したところ、EL光の偏光異方性(膜厚方向に偏光しているEL光/膜面内方向に偏光しているEL光)は印加電圧が16V付近より急激に増加した。この蛍光異方性の上昇は主に、ゲスト分子によるガラス転移温度の低下と双極子モーメントが大きな蛍光色素の配向によるものである。双極子モーメントが最も大きなDCM1が一番大きな偏光異方性を示した。一方、双極子モーメントを待たない、TPBからの蛍光異方性は観察されなかった。EL光の偏光異方性は、引加電圧が小さい場合はランベルトの法則とよく一致しているが、引加電圧が高くなるにつれ、分子シンクロ現象により指向性が発現することが判明した。
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