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1999 年度 実績報告書

フォトクロミズムにシンクロナイズしたキラル情報の可逆制御

研究課題

研究課題/領域番号 11167235
研究機関横浜国立大学

研究代表者

横山 泰  横浜国立大学, 工学部, 教授 (60134897)

キーワードフォトクロミズム / 不斉 / フルギド / ジアリールエテン / コレステリック液晶 / ピッチ / 選択反射
研究概要

1.ジアリールエテン着色体の絶対立体配置とCDスペクトル
熱不可逆性フォトクロミズムを示し,耐久性に優れたジアリールエテンの着色体を光学分割し,重原子を合む誘導体として,X線結晶構造解析によって絶対立体配置を決定した。また,各々のエナンチオマーのCDスペクトルを測定した。その結果,CDスペクトルを測定することで,着色体の絶対立体配置が予測できるようになった。
2.(R)-ビナフトール縮合ベンゾフリルフルギドの合成とフォトクロミズム
(R)-ビナフトールを酸無水物部のカルボニル基に縮合したフルギド誘導体を合成した。この化合物は,類縁のインドリルフルギド誘導体と同様,ジアステレオ選択的環化反応を起こすことがわかった。また,そのフォトクロミズムに伴って,蛍光のオンオフ(着色体のみが蛍光発光する),ネマティック液晶にドープしたときにコレステリック液晶相を誘起し,そのピッチを光照射で可逆的に変化させること,を明らかにした。
3.コレステリック液晶の選択反射波長の可逆的制御
上記ベンゾフリルフルギドと,ネマティック液晶,およびコレステリルエステルの混合物に光を照射することで,選択反射の波長が可逆的に変化した。反射色は,赤から青まで連続的に変化した。また,部分的に光をあてることで,パターン形成が可能であった。
4.ビスチエニルフルギドのフォトクロミズム
ビス(チエニルエチリデン)無水コハク酸を,Pd触媒を用いるアセチレンジオールのカルボニル化法で合成した。この化合物は,各々のチエニルエチリデン部位の幾何異性のために,3種の無色体と,2種の着色体が存在する。そのフォトクロミズムを明らかにし,(E,E)の無色体から生成する着色体が優勢に生成することを示した。さらにその理由を分子軌道計算により明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T. Sagisaka: "Reversible Control of Pitch of Cholesteric Liquid Crystals by Photochromism of Chiral Fulgide Derivatives"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73(1). 191-196 (2000)

  • [文献書誌] Y. Yokoyama: "Highly Diastereoselective Photochromic Cyclization of a Bisthienylfulgide"Chemistry Letters. 2000(3). 220-221 (2000)

  • [文献書誌] Y. Yokoyama: "Photochromism of Fulgenates Possessing Crown-Ether Moiety"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Y. Yokoyama: "Photochromism and Kinetics of Heliochromic Benzothienylfulgides"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Y. Yokoyama: "Photochromism of R-Binaphthol-Condensed Benzofurylfulgide and Control of Properties"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Y. Yokoyama: "Fulgides for Memories and Switches"Chemical Reviews. 100(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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