研究課題/領域番号 |
11167250
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
梶原 莞爾 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)
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研究分担者 |
安永 秀計 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80241298)
浦川 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10183211)
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キーワード | 分子シンクロナイゼーション / 小角X線散乱 / 分子モデリング / ゲル / 分子集合体 / 糖鎖高分子 |
研究概要 |
本年度の研究において、シンクロ型分子集合の様子を小角X線散乱法と分子モデリングの手法により構造解析及びビジュアル化することに成功した。具体的には、糖鎖が外部刺激(温度変化、溶媒置換等)によってゲル形成する場合の高次構造変化を解析した。 1.タマリンド種子抽出キシログルカン水溶液の酵素分解によるゲル化過程:キシログルカンを酵素で分解しながら、その水溶液からの小角X線散乱を観察すると、分解が始まると共に、当初棒状であったキシログルカン分子が自己会合し、厚さが20Å程度の板状の構造をとることがわかった。この板状構造体は、棒状分子が横にほぼ規則的に並ぶことによって形成され、この構造体がある程度成長するとゲル化が起こることから、この構造体が架橋ドメインとなっていることが分かった。この板状構造体の分子モデルを作成し、そのモデルから期待される散乱プロフィールと観察された小角X線散乱プロフィールを比較することにより、酵素反応が進行するに従いキシログルカン分子がどのように自己集合していくかが理解できた。 2.タマリンド種子抽出キシログルカン水溶液の第3成分添加によるゲル化過程:キシログルカン水溶液に第3成分としてカテキンやエタノールを添加すると低温でゲル化するが、この場合は、架橋ドメインとしてランダム会合体を仮定すれば、観察された小角X線散乱プロフィールをよく説明できた。外部刺激条件により、自己集合の様子はかなり異なり、自己集合しても準秩序構造をとる場合、その物性も特異な挙動を示すことがわかった。
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