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2001 年度 実績報告書

分子シンクロナイズした集合体の静的・動的構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 11167250
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

梶原 莞爾  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10133133)

研究分担者 安永 秀計  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80241298)
浦川 宏  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10183211)
キーワード分子シンクロナイズ / 静的・動的構造解析 / 小角X線散乱 / 光散乱 / 位置選択的硫酸基置換カラゲナン
研究概要

位置選択的に硫酸基を有する種々のカラゲナンを、自然界に存在する3種のカラゲンナン(アルファ、ベータ、ラムダの3種)から調整した。小角X線散乱の結果は図2に示すが、いずれのカラゲナンも断面ギニエプロツトにおいて良い直線性を示し、少なくとも局所的には棒状の形態を取っていることが分かる。その断面は硫酸基の数に比例して太くなり、硫酸基がヘリックス状の形態を取り鎖の外側に巣として突き出ていることが分かる。このような分子モデルから計算した散乱プロフィールは実測小角X線散乱プロフィールと良い一致を示し、分子モデルの妥当性を支持する。
光散乱プロフィールを解析し得られた、慣性半径と流体力学的半径の比で与えられるρパラメターの値から推測すると、カラゲナン分子は硫酸基の位置により鎖全体として棒状からコンパクトな粒状まで様様な形態を取ることが分かる。つまりカラゲナンは局所的にはヘリックス形成による棒状形態をとるが、そのヘリックス部の長さは硫酸基の位置により異なり、ラムダカラゲンナンは小さく折れ曲がった全体としてコンパクトな形態カッパやイオタは折れ曲がりの少ない全体として棒状、タウ等はその中間で全体としてコイル状である。ここで全体として棒状に近い形態を取るカラゲナンはゲル化しやすく、コンパクトな形態を取るラムダカラゲナンはどのような条件でもゲル化しない。その中間のコイル状カラゲナンは弱いゲルを形成する。ヘリックス部分が会合した秩序構造をもつ架橋ドメインが出来ることでゲル化が起こると考えられるが、その会合にはヘリックスがある程度以上の長さを保持することが必要である。硫酸基は位置によりヘリックス構造を安定化或いは不安定化する。特にA残基のC4につく硫酸基はヘリックス構造を安定化する効果があり、逆にA残基のC2に硫酸基がつくとヘリックス構造が壊される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Ikeda: "Cascade model for physically cross-linked elastomer : Morphological characteristics of nonionic elastomers and microcrystalline ionene elastomer ;"J. Macromol. Sci., phys.. B40. 171-188 (2001)

  • [文献書誌] M.Dentini: "Synthesis and physicochemical characterization of gellan gels"Macromolecules. 34. 1449-1453 (2001)

  • [文献書誌] H.Maeda: "Low-degree oxidized scleroglucan and its hydrogel"Int. J. Biol. Macromol.. 28. 315-358 (2001)

  • [文献書誌] K.Murakami: "Reinforcement of NR by silica generated in situ : Comparison with carbon black stock"KGK.. 54. 668-672 (2001)

  • [文献書誌] T.T.T.Than: "Molecular characteristics and gelling properties of carrageenan family 2. Tri-sulfated and tetra-sulfated carrageenans)"Polymer Bull. 47. 305-312 (2001)

  • [文献書誌] Y.Osada, K.Kajiwara: "Gels Handbook 1〜4"Academic Press. 1509 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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