研究概要 |
ポリマー導波路に対し伝播損失の少ない赤色光源として、分子シンクロナイゼーションを利用した高効率な赤色発光を得るための検討を行った。分子間のエネルギー移動を利用し、高効率の発光を得るための材料構成として、ポルフィン誘導体(TPP),アルミニウムキノリン(Alq_3),赤色レーザ色素(DCM)について検討した。その結果、赤色発光材料にポルフィン(TPP)を用い、ホスト材料としてAlq_3を用いた場合には、DCMと共にTPPをドープする事により、TPPからの発光が増強されることを見いだした。 これは、Alq_3を障壁層とする2種類の井戸層を持つ量子箱構造となり、Alq_3分子からDCM分子へはフェルスター型のエネルギー移動により容易に行われるためDCM分子がAlq_3分子からTPP分子へのエネルギー移動の補助作用を持ち、TPPからの発光の増強効果を示す事を見い出した。ポリマー導波路上に直接有機EL素子を形成し、光回路の形成する事を試みた。ポリマー導波路の1端面は45度にカットされておりミラーを形成されている。陽極にはITO透明電極もしくは半透明のAl電極を用い有機EL素子を形成し、そのミラー上部に陰極を形成し、発光部としている。基本動作の確認のために、有機ELとして一般に用いられるアルミニウムキノリン(Alq_3)/ジアミン(TPD)素子をポリマー導波路上に直接形成し、素子動作の確認を行った。
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