研究概要 |
パルス変調方式はアナログ信号とデジタル信号の融合した方式といえ,微小なアナログ光入力信号を画素並列で取り扱うビジョンチップにとってはSN比やダイナミックレンジの点から非常に有効である。まずパルス変調の基本回路について実証を行い,次にビジョンチップを適用するため,画素間相互作用をパルス形式でいかに実現するかについて検討を行っている。今年度はパルス幅変調に関しては,抵抗ネットワーク結合を実装したビジョンチップについて検討を行った。 画像処理には近傍画素間演算が多用されるのでビジョンチップでの近傍画素間演算の実装は非常に重要な課題である。パルス幅変調出力はそのままでは近傍画素間演算は困難であるため,一度コンデンサーに蓄積しアナログ値に変換した後に,バッファーアンプAMPを通して水平抵抗ネットワークによる近傍画素間結合を実装した。変換容量値は220fFであり,1st polyと2nd poly間容量を用いた。この受光回路を水平抵抗により4近傍画素と結合した。水平抵抗はパストランジスタ構成である。ゲート・ソース間にコンデンサを並列接続することでゲート電位を一定にし,線形性を向上させている。なお動作は飽和領域である。1.2μm 2-poly 2-metal CMOSプロセスを想定したHSPICEによるシュミレーションでは0〜1Vの範囲で10kΩ程度が得られている。
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