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1999 年度 実績報告書

二分子膜ハイドロゲルの創成に基づく蛋白質機能の時空間制御

研究課題

研究課題/領域番号 11167264
研究機関九州大学

研究代表者

君塚 信夫  九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90186304)

研究分担者 米澤 徹  九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90284538)
一ノ瀬 泉  九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50243910)
キーワードハイドロゲル / 二分子膜 / 分子組織化 / ゾル
研究概要

低分子化合物による有機溶媒のゲル化とは対照的に、分子集合体によるハイドロゲルの形成例は極めて限られ、その一般的な分子設計指針は得られていない。我々は合成二分子膜をベースに、"分子組織性ハイドロゲル"を開発し、その基本特性を解明することを目的として、複数のアミド基を含み、かつグルタミン酸骨格を有するカチオン型脂質を新たに合成した。その結果、従来の二分子膜形成化合物に比べて短いアルキル鎖(C_8:短鎖型脂質)ならびにイソプロピル基を疎水部側に導入した分岐型脂質に過塩素酸アニオン、ナフタレンスルホン酸などの疎水性アニオンを添加すると、ハイドロゲルが得られることが判った。これらの分散水溶液(1〜2mM)について電子顕微鏡観察を行ったところ、幅8〜10nm、長さμm以上のファイバー状会合体を基本とする網目状構造が観測された。これらの会合形態は二分子膜に特徴的なものであり、疎水性アニオンの添加によって、これらの短鎖型脂質や分岐型脂質が発達したファイバー状架橋構造を与えたことが判る。従来型の二分子膜形成化合物において、このようなハイドロゲル形成が認められないことから、(i)結晶性を低めた疎水部構造、(ii)疎水性のイオンペアから成る親水部、かつ(iii)発達した水素結合ネットワークの形成 が分子組織性ハイドロゲルを得るための条件といえる。ゲルを加熱すると、60-75℃の領域で溶解してゾルとなり、その後さらに加熱すると急激に白濁した。この変化は可逆的であり、冷却すると白濁が消失して元の均一なハイドロゲルが得られた。このように、分子組織性ハイドロゲルにおいては、構成成分の分子構造に依存して多用な物性・構造特性が観測されることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N.Kimizuka,T.Kunitake: "Lanthanide lon-Mediated Hydrolysis of DNA on Phosphate Bilayer Membrane"Chem.Lett.. 1. 29-30 (1999)

  • [文献書誌] N.Kimizuka,T.Kunitake: "Spatially Controlled Synthesis of Protein/Inorganic Nano assembly"Chem.Lett.. 12. 1333-1334 (1999)

  • [文献書誌] N.Kimizuka,T.Kunitake: "Molecular Dispersion of Hetero-Metallic Mixed Valence Chains of [Mlew_2][Mcl_2lew_2](m:Pt,Pd,Ni)and Anionic Amphiphile in Organic Media"Angeco Chem.Int.Ed.Engl.. 39. 389-391 (2000)

  • [文献書誌] 君塚信夫: "自己組織化を利用する有機-無機複合組織の構築"化学と工業. 52・7. 857-861 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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