• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

細胞機能変化と同期する光学活性ハイドロゲルからなる細胞培養システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 11167275
研究機関上智大学

研究代表者

青木 隆史  上智大学, 理工学部, 助手 (80231760)

キーワード感温性 / 光学活性 / 相転移挙動 / ハイドロゲル / 水酸基
研究概要

最近、光学活性で且つ感温性を有する新規材料を合成し、その相転移挙動について検討している。すなわち、1ユニット内の側鎖に水酸基を含む光学活性なN-(l)-(1-hydroxymethyl)-propylmethacrylamide (l-HMPMA) である。本報告では、このポリマーの相転移挙動について、光学不活性なP(dl-HMPMA)と比較して議論する。
本研究で新規に合成したP(HMPMA)は、光学活性、不活性にかかわらず水中でLower Critical Solution Temperature (LCST) 型の相転移挙動を示す。全く新しい感温性高分子であることがわかった。しかし、その挙動は、光学活性なP(l-HMPMA)と光学不活性であるP(dl-HMPMA)とでは、大きく異なっていた。P(l-HMPMA)の相転移挙動が、P(dl-HMPMA)のそれより低温側で観察され、さらに昇温時と降温時で相転移にヒステリシスが存在していた。また、光学不活性なP(dl-HMPMA)は、相転移温度以上でコアセルベートを形成し、固体沈殿は生成しなかった。すなわち、ポリマー自身の相転移挙動が、光学活性基により影響を受けた全く新しい感温性ポリマーであるといえる。さらに、これらのモノマーからなるハイドロゲルの膨潤度変化の温度依存性を測定すると、ポリマー水溶液の透過率変化と同様に、P(l-HMPMA)の相転移挙動が、P(dl-HMPMA)のそれより低温側で起こり、温度変化に対するヒステリシスも示した。その一方で、P(dl-HMPMA)はヒステリシスを全く示さない膨潤度変化を示した。さらに、P(l-HMPMA)とP(dl-HMPMA)は、収縮時のハイドロゲルがそれぞれ白濁と透明であり、収縮した状態での水和状態が異なっていることもわかった。

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi