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1999 年度 実績報告書

昆虫の意識に関わる神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 11168218
研究機関岡山大学

研究代表者

酒井 正樹  岡山大学, 理学部, 教授 (30027502)

キーワードコオロギ / 死にまね / 動物催眠 / 意識 / 感覚応答 / ニューロン / 発達 / 機械感覚毛
研究概要

フタホシコオロギの催眠中における種々の感覚応答を細胞外記録した.縦連合から上行性および下行性ニューロンのスパイク活動を記録し,尾葉に低周波音(500Hz),耳に高周波音(4.5kHz),複眼に光,触角に接触または化学刺激を与え,平常時と不動化時での応答を比較した。不動化が始まると,頭部神経節より下行する多くのニューロンの自発発火の停止がみられた。低周波応答では,巨大介在ニューロンの応答は一部減少したが,とくに潜時の速い大きなスパイクはほぼ完全にブロックされた。この逃避の開始に先だって覚醒をうながすと思われるニューロンの発火停止は,不動化の維持に役立っていると思われる。高周波音に対しても顕著なブロックが生じた。光に対しても応答の減少がみられた。触覚への機械刺激についても脳からの下行性神経に応答の現象がみられた。これらのことから、コオロギの死にまね中、ほぼすべての感覚系は抑制されることがわかった。一方、死にまねの解発機構であるが、コオロギの前胸背板への圧迫は不動化を解発するので、同部の感覚毛を発達段階において調べたところ,フタホシコオロギの幼虫では1-6令まで剛毛タイプであるが,8-9令(成虫)では棘上タイプに変わっていた。そこで,擬死および接触逃避テストをおもなったところ,前者では擬死がおこりにくく,逃避が優性であった。後者ではこの関係が逆転していた。また,擬死が起こりにくいエンマコオロギでは,幼虫も成虫ともに剛毛タイプをもっており,両テストではフタホシコオロギの幼虫に近い反応を示した。以上より,末梢受容器の違いが擬死解発性の違いの原因になっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nishin H,Sakai M and Field LH: "Two antagonistic functions of neutral groups of the femoral chordotonal organ underlie thanatosis in the crinet Gryllus bimaculatus DeGeer"J.Comp.Physiol.. 185. 143-155 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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