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1999 年度 実績報告書

脳内光感受性細胞による視覚行動制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 11168223
研究機関九州芸術工科大学

研究代表者

山下 茂樹  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (30091250)

研究分担者 中村 多紀子  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教務員 (70274545)
キーワードクモ / 眼 / 視細胞 / 脳内光感受性細胞 / 感度 / サーカディアンリズム / 色学習 / 色彩弁別
研究概要

1.昼夜にわたって捕食等の活動を示すいわば昼夜行性のコガネグモの眼には感度の高い視細胞と感度の低い視細胞が存在し、感度の高い視細胞は恒常暗黒下で感度のサーカディアンリズムを示す。今回、我々は、夜行性のオニグモと昼行性のハエトリグモの眼の感度のサーカディアンリズムを調べた。オニグモの眼には感度の高い視細胞のみが主に存在し恒常暗黒下で顕著な感度のサーカディアンリズムを示した。対照的に、ハエトリグモの眼には感度の低い視細胞のみが主に存在し感度のサーカディアンリズムを全く示さなかった。コガネグモは両タイプの視細胞を持つ中間型と考えられる。
2.コガネグモの視神経遠心性ニューロンはそれ自体が光興奮性の神経細胞であるが、眼から抑制性の入力を受けており、自然な光条件下ではその活動は光照射終了後に増加する。脳内光感受性細胞の活動は脳を局所的に照明した場合にも増加するが、脳だけが明るいという自然の状態では起こらない光条件は眼の感度のサーカディアンリズムを狂わせる事から、脳内光感受性細胞は眼の感度のサーカディアンリズムの同調には直接は関係していないと思われる。おそらく、脳内光感受性細胞は眼を含めた脳神経細胞の活動の調節を介し様々な動物行動制御に関与していると考えられる。
3.ハエトリグモの威嚇行動や求愛行動等には色が関与している事から、ハエトリグモは色の識別を行っていると考えられている。しかしながら、クモ類ではこれまで色学習実験が成功しておらず、クモ類の色彩弁別については不明な部分が多かった。我々はハエトリグモにおいて色紙と熱刺激の組合せに対する嫌悪学習を成立させる事に成功し、ハエトリグモは青、緑、黄、赤の色紙を相互に識別する事を見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Yamashita: "Circadian oscillation of sensitivity of spider eyes:diurnal and nocturnal spiders"Journal of Experimental Biology. 202巻18号. 2539-2542 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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