研究課題/領域番号 |
11168230
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐々木 正己 玉川大学, 農学部, 教授 (40096061)
|
研究分担者 |
中村 純 玉川大学, 学術研究所, 講師 (30256002)
小野 正人 玉川大学, 農学部, 助教授 (70204253)
|
キーワード | ミツバチ / オオスズメバチ / 連合学習 / キノコ体 / 吻伸展反射 |
研究概要 |
1)サーモグラフィーを用い、ニホンミツバチのオオスズメバチに対する集団防衛行動を解析した結果、オオスズメバチの体表物質に直接触れるか、巣仲間から警戒情報を受け取った働き蜂は、スクラム様の状態で予備的に発熱を開始し、敵の侵入に備えることがわかった。通常オオスズメバチの匂いだけではこの行動は起こらないが、攻撃が度重なると、ミツバチはこれを学習して、防衛体制をとることもわかった。 2)BrdUによる免疫組織化学により、ミツバチとマルハナバチの働き蜂と女王蜂との間での、キノコ体ケニオン細胞の新生の様子を比較したところ、ミツバチでは女王でそれが顕著に早く起こっていることが明らかになった。 3)ミツバチの学習能力の発達について、吻伸展反射の連学習を用いる系により解析を行った結果、性による発達時期の違いが明らかになったほか、社会的な刺激の重要性が示唆された。すなわち、蜂を仲間から隔離し、単独状態にしておくと、温度や餌条件は同じであっても、仲間と一緒にいる場合とは異なり、まったくといってよいほど学習能力の発達が見られなかった。それは新しいことを連合学習する能力だけでなく、いったん覚えていたことの記憶の保持にも大きく影響した。
|