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2000 年度 実績報告書

微小脳システムにおける異種感覚選択行動の神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 11168234
研究機関福岡大学

研究代表者

横張 文男  福岡大学, 理学部, 教授 (20117287)

研究分担者 藍 浩之  福岡大学, 理学部, 助手 (20330897)
西川 道子  福岡大学, 理学部, 助手 (30078563)
キーワード昆虫 / ワモンゴキブリ / 触角 / 中大脳 / 前大脳 / 接触化学感覚 / 嗅感覚 / 湿度感覚
研究概要

ワモンゴキブリ触角上の感覚子内にある嗅覚・湿度感覚・温度感覚・機械感覚細胞の軸索の脳内投射を昨年度までに明らかにしているので、今年はおもに接触化学感覚細胞についてそれらの軸索の脳内投射を調べた。触角鞭節の各節において、先端付近に位置する比較的長い棘状感覚子内には、蔗糖あるいはナトリウム塩刺激に対して、興奮性応答を示す接触化学感覚細胞が機械感覚細胞とともにある。それらの感覚子からコバルトによる細胞外染色を行い、感覚細胞軸索の投射先を調べた。その結果、触角葉糸球体に終末する軸索と背側葉と食道下神経節に終末する軸索が観察された。触角柄節の感覚子から蛍光色素を取り込ませて感覚細胞軸索を染色した結果、触角葉糸球体に終末する軸索と背側葉および食道下神経節を通過する軸索が観察された。柄節には嗅感覚子は観察されず、接触化学感覚子と機械感覚子が観察されていることから、糸球体に終末する軸索はおそらく接触化学感覚細胞からのものと考えられる。以上の結果から、接触化学感覚情報は嗅覚・湿度・温度感覚と同様に、触角葉糸球体で一次処理されると考えられる。
前大脳側葉から細胞内記録・細胞内染色を試みたが、現在までのところ湿度・温度刺激にだけ明瞭に応答するニューロンを同定する事ができなかった。光学的神経活動装置を用いた実験計画については、まだ機器の調整と触角神経を電気刺激によって興奮させながら適切な光感受性色素の検索をしている段階で、まだ湿度・温度・匂い刺激に対する脳ニューロンの応答を記録できる段階には達しなかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Makoto Mizunami: "Exploration into the adaptive design of the arthropod"Microbrain""Zool.Sci.. 16. 703-709 (2000)

  • [文献書誌] 西川道子: "昆虫キノコ体への入力ニューロン"比較生理生化学. 16. 155 (1999)

  • [文献書誌] Masayuki Iwasaki: "Ultrastructural analysis of modular subunits in the mushrrom bodies of the cockroach."J.Electron Microsc.. 48(1). 55-62 (1999)

  • [文献書誌] Michiko Nishikawa: "Topography of the antennal afferent pathways in the brain of the insect."Comparative biochemistry and physiology. 124A. 133 (1999)

  • [文献書誌] Masayuki Iwasaki: "Fine structures of modular subunits in the mushroom bodies of the cockroach."Comparative biochemistry and physiology. 124A. 133 (1999)

  • [文献書誌] Taichi Ifuku: "Behavioral analysis of humidity orientation in the cockroach, Periplaneta americana."Comparative biochemistry and physiology. 124A. 133 (1999)

  • [文献書誌] Fumio Yokohari: "Hygro-and thermoreceptors.In Atlas of sensory receptors of arthropods"Springer Verlag. 220 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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