研究課題/領域番号 |
11169235
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
木村 成伸 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90291608)
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研究分担者 |
西田 洋一 (株)生物分子工学研究所, 構造解析研究部門, 研究員
井柳 堯 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50001699)
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キーワード | 電子伝達系 / フラビン酵素 / シトクロムb_5還元酵素 / 変異導入 / 生物マシーナリー |
研究概要 |
本研究では、集合型生物マシーナリーである肝細胞ミクロソーム電子伝達酵素群について、同一生物種(ブタ)由来の酵素群を用いてその電子伝達機能および分子間認識機構を解明することを目的としている。 1.本マシーナリーの構成酵素のひとつであるブタ肝臓由来NADH-シトクロムb_5還元酵素(Pb5R)中に存在する、フラビン還元酵素ファミリーに共通に見られるフラビン結合モチーフ(RXY(T/S)+(T/S)モチーフ)アミノ酸残基置換変異体の電子伝達機能を解析して、本モチーフ中のArg^<63>側鎖正電荷およびSer^<99>側鎖水酸基が、FADのみならずNADHとの結合にも重要であること、および、Arg^<63>側鎖正電荷がシトクロムb_5への特異的電子伝達に関与していることを明らかにした。また、Thr^<66>置換変異体(T66A、T66S、T66V、T66N、及びT66D)のストップトフロー法による電子伝達機能の解析を行い、Thr^<66>の置換が電子伝達中に生じるFADセミキノン分子種とその酸化速度に影響を与え、酵素反応サイクルの律速段階を変化させることを見いだした。 2.Pb5RのHis^<49>置換変異体H49EのX線結晶構造解析を終了し、H49Eの電子伝達機能変化が、FADを含む局所的な構造変化によることを明らかにした。H49Kについても現在X線結晶構造解析を進めている。 3.ブタ肝臓シトクロムP-450還元酵素可溶化ドメイン(PCPR)構造遺伝子のN末端領域への変異導入により、PCPRの大腸菌による大量発現に成功した。 今後も引き続き、Pb5R変異体、ブタ肝臓シトクロムb_5-Pb5R複合体、Pb5-PCPR複合体の結晶化を進める。
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