研究課題/領域番号 |
11170207
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
平戸 政史 群馬大学, 医学部, 講師 (00173245)
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研究分担者 |
高橋 章夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60261856)
根岸 正敏 群馬大学, 医学部, 助手 (80272235)
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キーワード | voluntary movement / primary motor area / supplementary motor area / n.ventralis intermedius / depth microrecording / PET scan / functional MRI / Parkinson's disease |
研究概要 |
視床腹中間核最外側部には運動感覚性神経細胞群が存在し、Parkinson病(PD)振戦例では、PETscan、及び定位的視床手術に際し微小電極法により末梢感覚刺激、随意運動施行時、同部に生ずる局所神経活動を捉えることができる。functional MRI(fMRI)を用い、健康成人で手関節の自動・他動的屈曲、伸展を行うと、10例中6例で対側の視床腹外側部と同側の小脳に信号上昇部を認め、さらに、PD振戦例において同様の負荷を行うと、やはり、振戦対側の視床腹外側部に7例中4例で信号上昇部を認めた。このPD振戦例において、微小電極法を用いた定位的視床手術を行うと、fMRIでの信号上昇部を中心に運動感覚性反応が記録された。以上より、手関節の他動、自動運動時、fMRI(機能イメージング法)により捉えられる視床腹外側部の信号上昇(局所脳血流上昇)は、同じ運動負荷に反応する運動感覚性神経細胞群の活動を反映していることが示唆された。さらに、PD振戦例でPET scanにより捉えられる振戦対側大脳皮質中心溝前部の局所神経活動上昇部位は、対側の拇指感覚刺激時の局所脳血流増加部位の直前方で、連続拇指対立運動時の局所脳血流増加部位と一致し、大脳皮質一次運動野であることが推定される。PD振戦例振戦伝達系は、その経路の一部を随意運動神経回路と共有していることが示唆された。 不随意運動(PD、本態性振戦)4例において、上肢運動想起時の局所脳神経活動をPET scanにより検討した。上肢運動想起時、4例中3例では大脳皮質一次運動野両側、あるいは運動想起同側で、4例中2例では補足運動野で明らかな局所脳神経活動の上昇が認められた。視床腹外側部における局所脳神経活動の上昇は明らかではなかった。ヒト脳随意運動神経回路網においては、運動想起時、前頭葉皮質運動関連領域において広範な運動遂行時とは異なった神経活動が認められる。
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