研究課題/領域番号 |
11170208
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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研究分担者 |
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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キーワード | アペリン / APJ / オーファン受容体 / 摂食行動 / HIV / コレセプター / 生体防御機構 / エイズ感染 |
研究概要 |
本研究では、アペリンの組織における局在をラジオイムノアッセイ法、免疫組織化学的手法などを用いて検討し、また、アペリンの生理作用および薬理学的作用について研究した。アペリンに対するウサギ抗血清は、[Cys^0]-apelin-17をヘモシアニンに結合させた抗原を用いて作製した。ラジオイムノアッセイ(RIA)の標識ペプチドとして、[Tyr^0]-apelin-13をパーオキシダーゼ法で標識しHPLC法で精製したペプチドを用い、スタンダードにはapelin-13を用いた。RIAを用いてウシ各種組織におけるアペリンの含有量を測定した結果、アペリンは、脳のみならず肝臓、脾臓、膵臓、乳腺、肺、腎臓、脊髄、胃、腸、心臓などの広範囲な組織に分布していることが判明した。ラット脳における免疫染色実験でも、アペリンが広範囲な脳組織に分布していることが示された。また、脳内投与によるアペリンの摂食に及ぼす作用をラットを用いて検討したところ、アペリン投与によってラットの摂食量が増加する傾向にあることが示された。また我々は、アペリンがAPJ受容体の内因性リガンドであり、APJ受容体がエイズ感染におけるコレセプターの一つであることから、アペリンの抗エイズウィルス作用について検討した。その結果、アペリンがCD4とAPJを発現させたヒト脳由来神経膠腫細胞に対するエイズウィルスの感染を阻止することを見いだした。エイズウィルス感染阻止作用は、アペリン36が最も強く、アペリン12より低濃度で感染を阻止した。APJ受容体は脳に広く分布していることから、エイズ痴呆症などのような中枢系のエイズ感染におけるアペリン/APJ受容体系の関与が指摘された。
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